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尾崎翠への旅―本と雑誌の迷路のなかで
 
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尾崎翠への旅―本と雑誌の迷路のなかで [単行本]

日出山 陽子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,575 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

作家・尾崎翠を世に知らしめた『尾崎翠全集』(創樹社)----その年譜作成にかかわった著者が、積年の疑問を解決するために、新たな資料や研究事項をもとに推論した書。貴重な関連写真も掲載。

1幻の尾崎翠作品----「短篇作家としてのアラン・ポオ」

2林芙美子が描く尾崎翠----讃美と不可解

3書くことへの思いと惑い----「大田洋子と私」

4「映画漫想」執筆の頃の尾崎翠

5尾崎翠のなげき

6『第七官界彷徨』の出版広告

7「春の短文集」----「三時十三分」とは?

8「こほろぎ嬢」と蟋蟀をめぐって

9「琉璃玉の耳輪」が書かれた時期

◎作家・尾崎翠について
◎尾崎翠あれこれ
◎訪問ノートより
◎映画『こほろぎ嬢』を観て

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

日出山 陽子
千葉県生まれ。学生時代に稲垣眞美氏の講義で尾崎翠を知る。神田の古本市で尾崎翠作品集『アップルパイの午後』(薔薇十字社)を見つけたことをきっかけに、翠の埋もれた作品を探しはじめ、稲垣眞美編『尾崎翠全集』(創樹社)の年譜作成にかかわる。平成17年7月、鳥取の「尾崎翠フォーラム」参加後、積年の疑問を解決するためにふたたび図書館通いをはじめる。広告プロダクション、出版社などを経て、現在フリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 139ページ
  • 出版社: 小学館スクウェア (2009/08)
  • ISBN-10: 4797980869
  • ISBN-13: 978-4797980868
  • 発売日: 2009/08
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本
尾崎翠という人についても、その作品についてもこの年になるまでまるで知らなかったことを激しく後悔している今日この頃ですが、世間では数多くの熱烈なる翠ファンが地下茎のようにうねうねと寂しく繁殖しているようです。

彼女の作品に魅せられて以来茫々35年。雑誌「エスプリ」の昭和10年1月号の広告で尾崎翠の「短編作家としてのアラン・ポオ」という幻の原稿を発掘したり、作品全集の年譜作成まで手掛けておられる著者などは、さしずめその代表選手なのでしょう。

この本には、激務の合間を縫って図書館で資料を渉猟したり、翠の生地鳥取をはじめ各地のゆかりの知人や縁者に直接面会して得られた貴重な情報や論考が、全部で9篇並んでいますが、いずれをとってもまるで地を這うような地道な作業と執拗な思索が生んだかけがえのない珠玉の労作ばかりで、そこには翠とその作品に対する著者の心の底からの愛情が感じられます。

特に7番目の「春の短文集」では、翠の同名の作品に出てくる「3時13分」という時刻をめぐる著者の推察と想像が生彩を放ち、さながら松本清張の推理小説のような面白さとリアリテイを現出しています。同時代の作家林芙美子や大田洋子と翠の交友や「こほろぎ嬢」を巡る考察も「成程なあ」とじつに腑に落ちますが、翠の生涯の親友であった松下文子が生前著者に語った「尾崎翠という人」こそは、本書の白眉中の白眉ではないでしょうか。以下原文のまま引用させていただきます。

「色が白く肌がきれい、背は5尺あるかないか、痩せているが骨太、いかり肩で手が大きい、目は一重、少しウェーブのかかったやわらかな赤い髪、声はアルト。竹を割ったような性格で嘘が嫌い、内向的で社交性なし。宵っ張りの朝寝坊。散歩は嫌いだったという。」

尾崎翠とはこういう人だったのですね。そしてこのように個性的な作家はこれまでどこにも居なかったし、これからもけっして現れないでしょう。
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