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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
統計データで雇用の俗説を斬る,
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レビュー対象商品: 就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99) (単行本)
表面的だけど通りが良い日本の雇用論を、統計から導き出したデータでスパッと斬り、真の問題点とは何かをクリアに説明する労働問題研究者の第一人者の最新刊。従来の著者の本とダブるところもあるが、60以上の統計を引用して、「新卒一括採用だから、採用されない学生が増えて失業率が上がる」「スキルが高ければ転職も容易」などの世間でよく言われる労働問題がウソであることを明瞭に示す。今回著者が特に力を入れているのは「卒業3年後までは新卒扱い」で採用した会社に補助金を出すという新制度への批判。新卒扱いでも基準が下がるわけでもなく、超上位校でたまたま就活ができなかった学生だけが得するだけだとみる。そしてもう一つ印象的だったのが、著者が「超上位校」と定義する学校群の優位ぶり。超有名企業の採用枠が2万人。旧帝大クラスと早慶で4.5万人。この就職市場で1割に過ぎない層だけが就職問題として論じられてきた。無名校を出て超有名企業には入れない。新卒就職で失敗しても、入れる中小企業で社会人として実績を積み、第二新卒として採用されるようにすべし、と著者は訴える。 そして、著者は大学を社会人の基礎力をつける場として再生することを提言している。著者は「営業大学」と書いているが、簿記、ビジネス英語や新聞の読み方などを学ぶ。ほかにも中小企業就職者向けに、国や自治体が、中小企業入社時に合同研修を行うアイデアを提示する。名刺の渡し方、アポリストの作り方といった実践的な学習内容もさることながら、同期意識や人脈も生まれるのではなかろうかというもの。雇用予算特需の中間搾取に忙しい雇用能力開発機構やら、大学・企業に7000億円くれてやるより、若者に直接便益を提供した方がいいではないか、という意見に共感した。
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
後半が特に面白くなる,
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レビュー対象商品: 就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99) (単行本)
前半は、「雇用の常識「本当に見えるウソ」」や、「「若者かわいそう」論のウソ」」のダイジェスト版といった印象。 「日本企業の新卒一括採用制度という悪習が、若年未就労者を増やしている」 「今の老人世代は得をして、若者世代は損している」 これらの通説が、いかに間違った解釈を含んでいるかを指摘している。 冒頭に挙げた本を読んだことがない人には、目から鱗の話が満載だ。 一方、すでに読んだことがある方には「またこの話か」という印象かも・・・ しかし、この本の見どころは後半にある。 3章あたりから、ぐんぐん面白くなるのだ。 私はかねてより、マスコミが流す間違った通説も 著者のようにそれを批判する人のデータも 同じ政府のデータが出元になっていることが不思議だった。 元のデータを握っているところなら、本当のことを知っているはずなのに、 なぜ間違った解釈が出回り、無意味な施策が生まれてしまうのか。 筆者は、その背景に行政の縦割り組織や予算獲得の仕組みが絡んでいると指摘する。 自分の省が管轄する領域で、世間が「これは問題だ!」と大騒ぎしてくれると 自分の省の予算が増えるという構造的な問題があるというのだ。 これには、大いに納得した。 彼らは間違いを間違いと知りながら、わざと口をつぐんでいるのだ。 本の後半では、仕組まれた「間違い」の結果として生まれた 現在の様々な助成金制度を紹介し、それらの欠陥を痛快に斬っている。 ただし、政府だけを一方的に批判するのではなく、 それを利用する民間企業側の悪癖も指摘しつつ、 民間企業を上手く使いこなす方法を提案している辺りに アカデミズム寄りの人達とは一線を画す、筆者の持ち味を感じる。 改善案としてかなり具体的なプランの提示がされているのだが、 それは、ぜひ本を見てほしい。 その業界に属していた人でなければ、こんなプランは描けなかっただろうと思わせる 非常に興味深い内容だ。
12 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
これが実態だ,
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レビュー対象商品: 就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99) (単行本)
どこも同じかというのが正直な感想です現実を見ることのない安易な欧米礼賛と意図的な中高年叩きが生み出す意図しない結果。どこでも同じ構図です。気が付かずにやっていればいつもながらの喜劇ですが、意図してやっているとすればそれは究極の「マキャベリズム」です。マスゴミと識者という「にわか論者」たちが作り出す無駄と欺瞞の構図は醜悪です。欧米の実情を知ることもなく、欧米的雇用慣行=解雇規制緩和プラス職務給化というグロテスクなドグマにとらわれて、生み出されてくる政策というパターンはどこでも同じです。どうしてここまで知性が欠如しているのでしょうか。これこそ日本の風土病といっていいでしょう。著者が立脚するのはデータと現実です。「超大手企業はほんの一部」「新卒で入社した会社で人生が決まってしまうというウソ」「中小企業は不安定で待遇が悪いというウソ」「高度なスペシャリティで自分を守る論のウソ」「高卒かわいそう論のホント」、これらの角度から現実とその変貌が解き明かされていきます。現実は「遅々としてまるで変わらぬように見えてアメーバのように最適なかたちへとなし崩し的に変化していく。それが日本という国の得意技なのだ」
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