「ゲーム化し始めた就職活動」という冒頭の小見出しが効いている。大企業の人事部長すら「人柄を見切る自信がない」と言わしめる。今の大学生は、面接テクニックが余りに高度化しすぎ、人格すら切り替えて面接に対応しまっているという。「
近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)」も指摘しているが、キャラ作りが余りにうまくなりすぎている。そして、キャリア観念が強くなり、自分のキャリアデザインと異なる配属に対する拒否反応を示すことが多い。面接もキャリアデザインも、大学も企業も「よい」としてきたことだ。学生は「こういうことがしたい」「やりたいことを実現したい」と訴えて入ったのに企業は「総合職」として採用しローテで部署を回していく。その結果、「失敗を恐れる」「批判ばかりする」「やりたくないことをやりたがらない」。「新人の8割は使えない」という企業まであるという。
著者は企業と学生のマッチングを両者とも本音ベースでやりましょうという。社会の半数を大卒が占めるのに、未だにその「幹部候補生」として採用するのを改め、ごく少数の幹部候補以外は「専門職」として採り、適宜入れ替えればよいというもの。大半がリーダーになれるわけもないのにやたらリーダーシップを問う面接もどうか、というのは確かにそうだ。また、「共に働ける人材か見極める」という観点から長期のインターンシップ、縁故採用も提言している。縁故と言っても親戚や政治家といった実力と関係ないコネではなく、大学や取引先など信頼できる筋から「出来る」と推薦された人材を採る、という真っ当な縁故だ。
「横並びの就活は止めましょう」的な主張は、これまでの就活改革系の新書と同様に感じたし、理想論じゃないかとも思うが、毎年これだけの新卒者が漂流するのを見ると、なんとかならないかなあと思うのも確かだ。