本書の冒頭部分に著者自ら本書の読書対象を掲載している
大学生・若手社会人・親世代・企業の人事・大学教職員とのことだが、これら対象に有用な情報かというと得られるものは少ない
就活本によくみられる一面の対象(たとえば就活前や就活中の大学生)向けに書かれたものではなく、大学生(就活生)・企業・就職情報会社といった三面からそれぞれの側の生の声で構成している点は評価できるが、裏を返すと本書はそれだけともいえる
三者各々に対する取材内容がどうかというと概して薄いものだし、誰しも聞いたことがある内容の切り貼りのように感じてしまったのは私だけだろうか
本レビューにおいて思わず「で?」という声をまずあげてしまったのは、著者らが現在の就活事情について各対象に”気持ち悪い”と感じていることは伝わったが、肝腎の「ではどうするのがよいか?」といった著者ら自身の主張が何も述べられていない
「体系的で、具体的な解決策は本書ではあえて提示していない」(p.271)
・・・らしいが、言い訳であろう
言いたい放題ケチをつけるのは簡単だが、解決策を提示することは難しい
たしかに現在の日本の就活問題は終身雇用・年功序列が崩壊した中でも新卒採用最重視し続ける(あるいはせざるえないのか?)企業、またそこにパラサイトする就職情報会社、かつそれに積極的であれ仕方なくであれ乗っかった(それこそ乗っかからざるを得ない)大学生が絡み合った構造上の問題であり、解決策を提示すること自体が非常に難しいことはわからないでもない
ただ私が思うに就活の構造上の問題については著者らに偉そうに問題提起いただかなくてもおそらく多くの方は気づいているし分かっていることだろう
であるからこそ、本書は一読の価値ありとは言い難いのである
ただ現在若手社会人の範疇にいる私としては数年前の就職活動について自嘲を込めて”気持ち悪い”自分を懐かしく思いだせてもらったという点で本書を最低評価としなかった
しかしとても勧められる代物ではない