この本は前半73ページが日本語、後半50ページが中国語訳で書かれている、ポケットサイズの書籍である。所々に井上清が著した"「尖閣」列島―釣魚諸島の史的解明"を引用しているので、先ずは井上清の本を読んで、その後にこの本を読むことを勧める。井上氏の著作が100%中国側に立っているのに対し、村田氏のこの本は中国側に不利な資料も少しだけ掲載されている。
現在中国は、尖閣諸島は台湾省に属すると主張しているが、台湾の鄭政権が1683年に清朝に降伏し、翌年清は台湾を福建省に付属せしめて台湾府を置いたのであるから、それ以前の史料を以って中国領有論を展開するのは無理があるのだが、著者がそこらへんを理解しているかどうか疑問である。"ニッポン人なら読んでおきたい竹島・尖閣諸島の本 "(別冊宝島)を尖閣の初級レベルの入門書とすると、この"尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか"は、初中級レベルの本である。