”東京少年鑑別所元法務教官が書いた「少年A更生プロジェクト」の全容”と帯に書いてあるが、誇大広告のような気がする。
確かに著者は、以前に2年だけ法務教官をされていた様だが、少年A更生プロジェクトに関わった訳でも、その時期に法務教官をしていたわけでも、少年Aに会ったことがある訳でもない。
その事を明記せずに、この時少年Aは○○と言った、とか、この頃の少年Aは○○な様子を見せていた、とか、「誰」が観察した様子なのかを巧妙に省略し、あたかも自分で目の当たりにしたような文体で書いているのが気になった。
「壁にぐったり寄りかかる丸坊主のAは、まるで萎びた野菜のようだった」とか...取材で第3者として得た情報を、自分で見た印象のように語るのが、ズルイというか胡散臭い感じがした。ジャーナリストとして正確さに欠けるのではないでしょうか。
元教官だけあって、少年院の中の様子や、更生教育については詳しく書かれている。
しかし、どこからどこまでが、自分で知っていた事で、どこからどこまでが、取材で第三者として得た情報なのかが分かりづらい。
また同じ事が何度も書かれていたり、得意分野の情報が多めにかかれていたりしていて、散漫な構成になっている。
それと、ジャーナリストを名乗る方として、あとがきで個人的な恨みを書きつらうのはどうなのでしょうか。
自分は志が高かったのに、ハラスメントを受けて教官を辞めざるを得なかったとか(意地悪かもしれませんが、ハラスメントに遭っても絶対に辞めない程は高くなかったのでしょうか。この本を「元教官」として書く為の口実とも思えました)...。取材中に職員に囲まれたとか...。著者の嫌な面を最後に見てしまったようで、読後感が一気に悪くなった。
ただ、少年院の中の様子に興味がある人には役に立つ本かもしれません。