昔、CD本として発売され、長く廃盤になっていました。
六郎さんの絵も、あがたさんの歌も、現ワールドスタンダードの鈴木惣一郎氏のサウンドも奇跡のようにマッチしていて、魅惑の昭和不思議ポップ空間を形成しています。
デッドめなエコー感と、のびのびしたあがたさんの歌唱も冴え渡り、バンドネオン以後のあがた作品のなかでも、かなりの傑作アルバムです。
どこか「日本少年」にもあった、ここにいてどこかを憧憬する感覚、それを「七つの海」から「季節」にパースを合わせかえた、(中耳炎かおたふくでお外に出られないかのような)少年の夢世界のようにもなってるところが興味深いです。
悪夢的なところはまるでなく、あがたさんのタルホロジカルな音楽が好きな方にはストライクゾーンど真ん中な筈です。
1月から12月までの歳時記音楽と言うと、大瀧詠一氏の「ナイアガラカレンダー」が浮かびますが、このアルバムは、12ヶ月の順番はばらけています。
そのせいで冬に夏を想ったり、夏の気分に秋を偲ばせてくれたりしつつ、あがたさんのアルバムの中でも屈指のトータリティーがあります。
特に胸を締め付けられるような鉄琴楽器の音色で入る「夏の翼」は希代の名曲ではないでしょうか?
大おすすめ。