少子化の対症療法として子育て支援なるものが必要との意見が多く,行政も委員会の答申を元に支援を行っている.しかし,そんなことでは,少子問題は解決しないというのが,著者の従来からの意見であった.
少子化という個人の生活観をベースとする部分では,あくまでミクロでなおかつ語られなかった部分に問題があることがわかる.妙齢の男と女がいて,子育ての状況が良ければ,誰でも結婚して子供をもうけるというのは,マクロで見てももう既に過去のことである.今は当たり前のことだが,お互いに惹かれあって,更に肉体的に結ばれて,なおかつ経済的にも生殖機能的にも恵まれていなければ,子供を作れない.逆に,このようなプロセスや障壁を経て初めて子供が生まれるという点で,低い確率と言える.
魅力格差,経済格差,セックスの変化など,少子化の論議で語られていない部分にキーワードがあることがわかる.