とうとうシリーズ完結です。6年続いたユーリと私たち読者の旅が終わります。
作者のみおちづるさんは何というか、“人間の哀しみ”というものを知っている方だと思います。(その点、安房直子さんと通じるものがあるような…)
メインに描かれているのはワクワク、ドキドキの冒険活劇ですが、その根底に静かな“哀しみ”が通奏低音のように流れているのを感じます。この『未来へのつばさ』でもクライマックスの場面で敵役ボルドの内面に深く入り込み、“人のこころ”についてじんわりと考えさせてくれます。
ユーリの旅は終わりましたが、私たちの心の中には新たな何かが生まれているのではないでしょうか。
途中、『天空の城ラピュタ』を思わせるような場面もありますが、少女海賊という設定や時空を旅する人というオリジナリティが非常に魅力的です。活字の大きさや児童文学という枠を越えて、大人も楽しめる作品です。
(出来たら各エピソードをもっと詳しく描きNHKの教育テレビなどでアニメ化されたら嬉しいのにな…とも思います。)