特に熱い興味があったから読み始めたわけではない本書。
なんとなく、薦められて、半分興味本位、半分義理ぐらいで読み始めました。
ところが、読み始めてみると著者の文体のおかげでしょうか、驚くほどぐいぐいのめり込みました。
何よりも、現実を丁寧に描いているにもかかわらず、そこに著者の考えや思いがしっかりと入っている事に驚きました。
もしかすると、これから読まれる方はその点で好き嫌いが分かれるかもしれません。
それでも、おそらく多数の方が著者の考え方、行動に共感し、このネパールの現状に憂うと思います。
ネパールと日本は、著者が指摘している通り、心理的に遠く、始めのうちはどこか全く違う世界での出来事のようで不思議に思えます。
それでも、この本を読んでいると、徐々にネパールが近くなってくるのは、実際に被害者である女性たちの様子や思いが、著者のそれとも重なり、身近に感じられてくるので、また不思議です。
正直、この本を読み終わったところで、著者の行動力と比べ、何も出来ない自分に少し気落ちしました。
出来る事と言えば、少しのお金を支援として団体に寄付する、その事が実質的すぐに今後のネパールでの人身売買被害者を少しでもプラスの方向へ向かわせれる事でしょうか。
それともう1つ出来るかもと思った事があります。
それは、この本を通して書かれているネパールの人身売買の現状を、遠い異国で行われている全く自分とは関係ない事とせず、一人でも多くの人に知ってもらえるよう、このようにレビューを書いたり、本を薦めたり、といった伝える作業ならば、少しずつでも自分に出来るのではないかと思いました。
微力ではあるけども、たくさんの人が読めば、大きな力になっていくのではないでしょうか。
そのような、小さいけれどぽっと暖かくなる可能性を持たせ、また考えさせてくれた本です。
一人でも多くの人が、このネパールの現状、人身売買被害者の現状、そしてそれに立ち向かう人がちゃんといるという事を知って欲しいと思っています。