「少女地獄」は3編のオムニバスです。
『何でもない』は、自らの虚言で命をたつまで追い詰められてしまう女性の話。
外的な要因よりよっぽど怖いのは己の心の地獄なのだという、短編ながら久作らしい作品です。
都会の怪談めいた『殺人リレー』恋人が殺人鬼だと確信したバスガイドは、事故にみせかけて恋人を殺す。
しかし、ここでも恐ろしいのは事件そのものよりその後の彼女の心の動き。
『火星の女』は、不器量で大人しい女の子が大人達の偽善を告発するという、やりようによってはさわやかな学園物にもなり得る話。
しかしそこは久作。この主人公はいきなり黒焦の死体となって現れる!
夢野久作の中では例外的に読みやすい作品ではないかと思います。かなりおすすめです。