ツイッターで発表された物語風ツイートを取りまとめて文庫本にしたもの。第一章まで読んだ時点では、世界観と少女の生活の齟齬にイライラして評価が低かったのだけれど、きちんとその齟齬を解消する設定が組み込まれていたことが明らかになってからは、ちょっとすっきりした。
おそらくは誰も人間がいなくなった地球上で、だたひとり残されたFLASCO(フラスコ)という少女が、移動図書館を駆って大陸を回り、様々な物事に出会いながら、読み手を探していくというストーリー的背景を持った連作短編集となっている。
先に述べたとおり、ツイートがベースとなっているため、文字数に制限がある。この制約の中で物語世界を固定化するために、少女と移動図書館という単語を全てのツイートに共通化させ、また、最初の一文を同じにすることで舞台設定の明確化を行っている。
普通の物語を映画のようなものとすると、こちらはスナップショットをまとめたアルバムを見ているような印象を受ける。場面場面を切り取り、その瞬間に繰り広げられる出来事を、140字の中で描き切らなければならないからだ。
ゆえに、物語の連続性という点でいえば、普通の小説よりは相当に弱い。どの様なつながりで出来事がつながっているのかは忘れがちになってしまう。
しかし一方で、文字数に制約があるということは、定型詩のような様式美の雰囲気も感じさせる。未だ様式は模索中である印象はぬぐえないが、それでも物語に関連性をつけさせる工夫の跡を見るのは、なにか面白い。
あえて本という形にまとめる意義は特に見出せなかったが、それを否定する根拠もないと思った。