タイトル「少女たちの性はなぜ空虚になったのか」に興味を抱き購入してみた。
しかし、中で語られている内容からは、その「なぜ」に全く答えていないように
感じられた。
内容をタイトルに表せば、「戦後から現在までの女性たちの性意識の変化」と
いったところだ。タイトルには「少女」とあるが、少女が話のトピックかと
思って読んでいたら、その話が非論理的に女性一般の話に敷衍したりする。
そもそも、「少女」とはどのくらいの歳までの女性を指すのかさえも示されて
いないのが残念。また、研究書ではない(と個人的には感じているが)この種の
本であれば、もう少し著者自身が少女たちに触れて、生の声を聞く部分が
多くてもいいように感じた。
ただ、いい点としては、時系列で女性の性意識の変化がわかりやすく書かれている。
明治以前の性の開放期から家や結婚という制度を背景とした男性優位の時期、
戦後のだんだん豊かになるにつれ、また男女平等の風にのって、現在につながる
性意識の変化がわかりやすい。
しかし、女性たちが現在の性意識を持つようになった結論としては、「私たち
大人が作り上げてきた社会に問題がある」とおまけ程度でふれているが、これは
一般論にすぎない。別に性意識の変化でなくても、何にも当てはまる理論で
逃げているように感じた。読んで少し物足りなさを感じる本だった。