行方不明になった友人に教えられた料亭。
一人でしか行けなくて、場所も毎回替わって、取り立てて絶品の料理が並ぶ訳ではなく……一緒に一人の女性と食事を共にする……そしてその女性はその時、一回限り。
なんとも不思議なそんなお店に、大学教授が通います。相手の女性は普通と言えば普通、「少し変わった子」と言えばそんな感じですし、「もう少し変わった子」と思えばそんな感じの女性になります。
店に訪れる度に何かがあるのではと思いつつも、取り立てて何かある訳ではない。そのくせなぜか何かを考えたり、何か癒されたり、何かに突き刺されたりします。
そんなことを何回か繰り返し……
あぁ、ストンと地面が抜けるような怖さを久しぶりに味わいました。考えてみると、森博嗣さんの最初の作品「すべてがFになる」でも味わった感覚のはずなんですけどね。こちらはそれよりもずっと純粋で…………いや、何がと言われると本当に困るんやけど……うーん、難しいですね、いやあ、あとこうなったら最高なんだけれども、というものがあるようには思うんだけれども、駄目だな、とても言葉になりそうもない。まあ、ようするに、また森博嗣さんの作品を読むしかないか……