またこの方法なら、発酵後の生地がほどよく冷えて締まっているので成形しやす
いという利点もあります。
夜寝る前に生地をこねておき、朝起きてから成形して焼くというスケジュールも
可能。忙しい人でも時間を有効に使えます。
家庭用のオーブンで、ハード系のパンをおいしく焼くためのコツを多数紹介。
パンづくりがはじめての人も、イーストでパンをつくっている人も、天然酵母で
パンをつくっている人も、ぜひこの本のパンを一度つくってみてください。イー
ストのパンのおいしさを再発見するはずです。
天然酵母パンは酵母さえいいものができれば、必ずパンはおいしいものとなり
ます。それはとても魅力的でした。私の中でイーストの存在はどんどん薄くなっ
ていきました。あまりパン屋さんにパンを買いに行くこともなくなったある日、
生徒さんがパンをいろいろ持ってきてくださったのです。いただいたパンはどれ
もおいしく、新しい発見でもしたかのように私はおどろきました。何におどろい
たかというと、その風味、食感はまぎれもなく、イーストのパンだったから。
それから、いろいろなパン屋さんに行ってたくさんのパンを食べました。そし
て、イーストでつくるパンのおいしさを再認識したのです。でも、家でつくる
イーストのパンとはあきらかに違う、何が違うんだろう?と試行錯誤しながら、
またイーストでパンをつくるようになりました。
パン屋さんに行くとよく、「長時間発酵」という言葉が目につきます。「長時
間発酵? イーストで長時間発酵はどうすればいいのだろう?」。とりあえず
イーストの量を減らしてみました。1g減らし、2g減らし、3g......4
g......。1g減るごとに、なるほど発酵に時間がかかるようになりました。で
も、イーストのケミカルなにおいは次第に少なくなり、発酵のときのなんともよ
い香りだけが残りました。250gの粉に対して5g入れていたイーストは1g
に減ったのです。少しでも発酵を遅らせて熟成させようと発酵温度もどんどん下
がり、冷蔵庫の野菜室でじっくり発酵させるようになりました。
この本に出てくるパンたちは、天然酵母とはまた違った味わいのあるパンで
す。パンづくりが初めての人も、イーストでパンをつくっている人も、天然酵母
でパンをつくっている人も、この本のパンを一度つくってみてください。イース
トのパンのおいしさを再発見できるはずです。
高橋雅子
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