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小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92)
 
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小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92) [単行本]

岡ノ谷 一夫
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

ジュウシマツの歌に耳を傾けたことがあるだろうか.なにげなく聞き流しているうちはいつも同じに聞こえるが,じつは意外に複雑で,なんと「文法」があることが発見された.この「文法」は,オスがメスの気を惹くために,より華麗な歌を歌おうとして発達したのではないか? 人間言語の起原もひょっとしたら….大胆仮説で言語進化の謎にいどむ.

内容(「MARC」データベースより)

ジュウシマツの歌は意外に複雑。なんと「文法」があることが発見された。この「文法」はオスがメスの気を惹くためにより華麗に歌おうとして発達したのでは? 人間言語の起源もひょっとしたら…大胆仮説で言語進化の謎に挑む。

登録情報

  • 単行本: 116ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2003/6/11)
  • ISBN-10: 4000065920
  • ISBN-13: 978-4000065924
  • 発売日: 2003/6/11
  • 商品の寸法: 17.8 x 12.8 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 科学は生きている, 2003/7/6
レビュー対象商品: 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92) (単行本)
 動物と音楽好きの著者がジュウシマツという小鳥の歌に“文法”があることを発見してから、進化、メカニズム、発達、機能という4つの視点でその歌行動を研究し、新しい言語起源説を考えるまでのストーリーが綴られている。一つ一つの研究自体とても面白いものだが、一連のストーリーの中ではその研究の動機、苦労、価値がより一層伝わってきて楽しめる。きっと読者はその一つ一つの実験の結果に、実験者と同じくらい、とまではいかなくてもある程度まで感動を共有し、胸を躍らせることができるだろう。

 科学者の人生ってこんなに面白いのか、と感心させられる一方、面白い人生を送れるのも著者が持ち合わせた強い知的好奇心と行動力、そして多くの研究者をひきつけてはなさないカリスマ性があってこそだと思う。こんな風に、人に語って面白いと思える人生を送ってみたいものだ。小鳥の歌や言語に興味がある人だけでなく科学を志す人すべてに、いや、面白い人生を送りたいと思う人すべてにおすすめしたい一冊。

 意味と文法は独立に進化し、文法は求愛行動によって進化したという著者の新しい言語起源の仮説は初めて聞く人には突拍子もない仮説に聞こえるかもしれない。しかし、これまでの研究の成果をふりかえりながら、著者が推し進める議論をたどっていくうちに、なんとなくそれもありかな、と思えてくる。少なくとも、本当だったら面白いな、と想像をめぐらせることができると思う。

 現在まで面白い結果がたくさん出ている一方、まだまだわからないこともたくさんあるし、知りたいこともたくさん出ている。科学の面白さは、完成された教科書に向き合って過去の偉人の研究成果を知ることだけではない。まだまだわからないことについてあれこれと思案し、自分や他の人が出した研究の結果に一喜一憂したり、そしてまた考えさせられたりすることにあると思う。科学は生きている。読み終えた後に、そんなことを感じた。今後の著者の研究グループの成果が楽しみで仕方ない。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 研究過程が生き生きと描写されている, 2009/9/20
By 
レビュー対象商品: 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92) (単行本)
小鳥の歌の文法の進化の過程を解明することにより、人間の言語の文法の起源を説明できるのではないか?壮大な仮説を掲げさまざまな実証研究を展開する岡ノ谷一夫の研究を簡単に一望できる本。

研究内容そのものも面白いが、本書を読んで印象的なのは、筆者の研究がさまざまな研究者や学生との出会いや、対話から生み出され、発展していっている過程が生き生きと描かれていることである。

また臨床家として興味深かったのは、小鳥の歌における損傷研究の知見である。内耳を除去したジュウシマツの歌は吃音様の症状を示し、神経回路の損傷部位によって失文法や語彙障害に似た症状を呈することが示されている。

さらに個人的に興味深かったのは大脳基底核の役割。鳥においてもヒトにおいても、自分の声と聴覚的に記憶されたお手本と照合する役割があるそうだ。人間ではさらに精緻な運動や外国語を学習するときにも働く。本書ではこのように言語における大脳基底核の役割を知るのに重要な知見が紹介されている。

鳥の行動に興味がある人、人間の言語に興味がある人だけでなく、科学的な探求のプロセスを味わいたい人にもオススメな本。
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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 最先端の研究譚として,また読み物としても,おすすめ, 2005/9/27
By 
ysato (静岡県三島市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波 科学ライブラリー92) (単行本)
 著者は、理研・脳科学総合研究センター・生物言語研究チームリーダーの岡ノ谷博士。2005年の日本進化学会で聴いた氏のプレゼンがとても印象深く、氏の研究に興味を持って、本書を購入。

 この本は、期待を裏切らなかった。記述はわかりやすく、かつ、内容はたいへん深いと感じる。とくに、ヒトの言語の起源についての考察が興味深かった。

 岡ノ谷博士の研究からは、従来考えられてきたような「言語の起源」とは、全く違ったシナリオが打ち出された。つまり、「最初はバラバラな存在だった単語が、やがて連なって複雑化することで、文章や言語が発達したのだろう」という、一見常識的な発想とは、異なる結論に達したのだ。

 自分が理解した限りで簡単に言うと、ヒトが有する「口で音列を発音する」あるいは「歌う」という機能と、その時に発せられる音(言葉)の「意味」を司る機能とは、おそらく別々に進化し、両者の統合つまり言語の誕生は、二次的に起きたのだろう、というような話。その岡ノ谷博士のシナリオは、幼児の言語獲得過程や、感覚性の失語症に対する説明として、合点がいくと思われた。

 興味をそそられた方は、本書に目を通してみることをおすすめします。
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