出版社からのコメント
小説トリッパーもおかげさまで創刊10周年を迎えました! そこで「この十年、作家と仕事1995→2005」と題した創刊10周年記念エッセイを巻頭で大特集しております。
登場してくださる方々は、江國香織、恩田陸、河合隼雄、桐野夏生、久世光彦、車谷長吉、椎名誠、高橋源一郎、田口ランディ、山本一力さんの締めて10名。携帯電話やパソコンの大衆化、オウム事件、阪神大震災、そして「心のケア」の浸透などなど、10名の作家がそれぞれの言葉で「この十年」を読み解いてくださいます。
夏季号のもう一つの目玉は、「第16回朝日新人文学賞」の発表。前回の応募総数の2倍以上の666編の中から、楽月慎さんの「陽だまりのブラジリアン」が受賞作と決定しました。女装癖のある中年サラリーマンの物語です。阿部和重、小川洋子、斎藤美奈子、重松清、高橋源一郎の各選考委員の選評も必読。
新連載小説は、中原昌也さんの『KKKベストセラー』。小説が書けないということに対して、これほど真摯、かつ倫理的に向き合っている作家がいるでしょうか。現代小説の奇才・中原昌也が、三島賞受賞作『あらゆる場所に花束が…』以来の長篇小説に挑みます。「書くこと」への懐疑と不信を、どこまで物語にできるか。いまだかつてないダウナーな意欲作です。
その他、レナード・ハント/柴田元幸訳の翻訳小説「インディアナ、インディアナ」、笠井潔さんの特別評論「大量死=大量生と『終わりなき日常』の終わり」など、今号も盛りだくさんの内容です。