郵政民営化問題はあらゆる人間たちの利権が絡む大疑獄事件だと思います。本書の三友銀行社長は三井住友銀行の元社長で日本郵政の初代社長の西川義文氏です。郵政問題の中でも最も不可解な「かんぽの宿売却問題」に関しては竹中氏とオリックスの宮内氏が黒幕であることは周知の事ですが、西川氏の立場とスタンスは全く明らかにされていません。しかし本書では西川氏が郵政の社長に就任したことで国益を外資に渡すことなく守ることができ、かんぽの宿売却問題もわざと世間に明るみにすることで小泉・竹中グループが考えていた利権を断ち切ったというニュアンスの事が暗に書かれています。しかし、西川氏は国益を守るために本当にそこまで計算していたのか?という疑問が付きまといます。その割には三井住友グループ企業が利益を得たことも確かな事です。
その意味で本書は企業小説としては余りにも片一方の視点から見たものである事に気がつきます。筆者も三井住友グループと何かしらの関係があったのではないかな?と疑ってしまいます。
それにしても小泉元首相の分かりやすいプロパガンダに乗せられた我々国民は本当に反省しないといけないなぁと強くかんじました。