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小説 琉球処分〈下〉 (ケイブンシャ文庫)
  

小説 琉球処分〈下〉 (ケイブンシャ文庫) [文庫]

大城 立裕
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商品の説明

内容説明

すべての沖縄問題の原点はここにあった! さまざまな抵抗を試みる琉球王国に対して、ついに日本政府武力を持って制圧を計ろうとするが。1959年から琉球新報に連載された話題の小説を文庫で緊急刊行。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

明治8年、政府は支配統治の進まぬ琉球藩に松田道之を派遣した。清との外交関係を断絶し、年号の使用統一をはかり、職階制を施行する等の明治政府の意向に服従させる為であった。琉球は、旧体制を保持すべく藩主・尚泰の上京を拒むなど必死の抵抗をみせる。だが、様々な遅延策に業をにやす明治政府は、ついに処分官、警察官などの軍隊を派遣してきた―。

登録情報

  • 文庫: 458ページ
  • 出版社: 勁文社 (1995/03)
  • ISBN-10: 4766921690
  • ISBN-13: 978-4766921694
  • 発売日: 1995/03
  • 商品の寸法: 15.4 x 11.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 435,580位 (本のベストセラーを見る)
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
日本と琉球のかかわりでは特筆すべき2つのことがある。

ひとつは、薩摩島津藩の琉球侵攻である。
1609年(琉球暦万暦37年・和暦慶長14年)島津氏は琉球が朝鮮出兵の兵糧の供出に応じないことを
きっかけに、3000名の兵を率いて3月4日に薩摩を出発、3月26日には沖縄本島に上陸し、
首里城にまで進軍した。狙いは民国と琉球の貿易液の横領であった。
島津軍に対して、琉球軍は島津軍より多い4000名の兵士を集めて対抗したが
武器を持たないかれらに勝ち目はなかった。
4月5日には尚寧王が和睦を申し入れて首里城は開城した。
これ以降、琉球王国は薩摩藩の付属国となり、薩摩藩への貢納を義務付けられ、
江戸上りで江戸幕府に使節を派遣した。

その後、明・清にも朝貢を続け、薩摩藩と清への両属という体制をとりながらも、
琉球王国は独立国家の体裁を保ち、独自の文化を維持した。
薩摩藩は、琉球にあくまでも中国へ服属していることを装わせ、
在琉球の役人は中国の冊封使が来たときは身を隠していたという。

もうひとつが、琉球処分である。
1871年、明治政府は廃藩置県によって琉球王国の領土を鹿児島県の管轄としたが、
1872年には琉球藩を設置し、琉球国王尚泰を琉球藩王に封じた。
1879年の琉球処分により沖縄県が設置され、沖縄県令として鍋島直彬が赴任するに至り、
王統の支配は終わった。
琉球の王族は、日本の華族とされた。

この後者の顛末を描くのが本書である。

ところで沖縄の人はよく、差別に言及するがその沖縄は奄美大島を差別していた。
薩摩の琉球侵攻後、奄美は琉球の支配を離れ、薩摩藩の直轄となるが、
その際、本土の詩文と区別するため 一文字姓を名乗らせるようになった。

奄美の姓では
平(たいら)、恵(めぐみ)、政(つかさ・まさ)、碇(いかり)、鎮(ちん)、芝(しば)、
武(たけ)、 西(にし)、泉(いずみ)、東(ひがし)、中(あたり)、住(すみ)、
渡(わたり)、岡(おか)、柏(かしわ)、 栄・榮(共に“さかえ”)、榊(さかき)、
滝(たき)、牧(まき)、里(さと)、仰(おおぎ)、前(まえ)、重(しげ)元(はじめ)など。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Hecha
形式:文庫
菅首相のこれを読んで沖縄を勉強してますに共感し私も読んでみました。沖縄県に至るまでの琉球の民、王室、官僚達のそして本土からの松田処分官達の苦悩と葛藤。当時までの本土の琉球に対する偏見や差別の様なことも今まで知らなかった私には本当に目から鱗で、そして今猶続く米軍基地問題に苦しむ現在の沖縄県民に思いを馳せて読ませていただきました。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
沖縄は琉球王国だった頃は、武器も放棄した平和な国だったが、中国と日本に両属しており、これを利用する狡猾な薩摩の島津藩により、いいように搾取されていた。明治維新により、国策として中央政府が本格的支配に乗り出したのが「琉球処分」だ。

本書は処分官である松田道之の報告書を、小説の形をとって分かり易くしたといってよかろう。したがって琉球高官や下級の士分が織り成す物語も、結末はやや物足りないのだが、一国の滅亡に際して、人々の必死の動きが、この小説の眼目といってよい。

尚泰王が人質に取られる辺りからは、ただ色々と引き伸ばしをして抵抗を試みる人々に、涙を禁じえない。大部分は松田処分官と琉球高官との駆け引きに費やされ、純情かつ老獪という不思議な人々との対応に、松田は終始悩まされる。

歴史書では高官たちは保身に汲々で、百姓たちの改革への動きも随分あったように書かれているが、ここでは清国へ密航して救援の直訴をする、若い士分達の動きも詳細に描かれている。

絶版であったが、菅首相が入手して読んでいるという事で、古本でも手に入らず、一時は八千円以上になったので復刊となった。解説の佐藤優氏によると、普天間問題は「平成の琉球処分」だと沖縄では受け止めているそうだ。沖縄だけに押つ付けて何処も受け入れないのがそれだというのだ。

大城氏は「こういう作品がまったく古びて意味がなくなる時代が来ることが願わしい」と言われている。1972年に出版され実に38年振りに再版されたのを読んだ訳で、沖縄の事情は変わってないのである。 
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