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パリの目も眩むような文化文明の輝きを見て衝撃的なカルチュア・ショックを受けた渋沢は、2年弱の在欧中に精力的に視察探求し、合本法や四民平等等西洋の新知識を学ぶ。横浜襲撃を企画したコチコチの尊王攘夷の志士渋沢が、和魂洋才思考に転じた瞬間だが、偉い所は、万博を文化文明の精華として礼賛するナポレオン3世の演説を聞いて、「今に見ておれ」と思ったこと。
トインビーの挑戦・応戦論ではないが、幕末・明治維新の頃、かなりの日本人が欧米に洋行・留学し、新知識と新技術を導入して、欧米の強大な経済力と文化文明の精華を、新生日本への挑戦と受け止めて、果敢に挑戦して近代化を企図した。(大戦後の復興も同様であろう。)
この渋沢伝の上巻は、その部分の大蔵省奉職頃までだが、一橋慶喜との関りや欧州事情など、幕末の日欧の動向が万華鏡の様に語られていて面白い。淡々と語るドキュメンタリー・タッチの津本陽の筆の冴えが素晴らしい。
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