後藤新平は明治大正期を活躍の舞台とした破天荒な政治家で、一般に都市政策の第一人者として有名な人物。東京市長を歴任し、関東大震災の復興、対ソ外交などにも尽力。
その生き様たるや、数に頼まず、先を見据え、敵を作ることを恐れず己の信念に向かうという凄まじいもの。議論を好み、有能な人材をこよなく愛し、人を肩書きで見ず、才で判断することが真に公平であるとも言った。
また物事を成すときは必ずその対象について実地に精査することの重要も説く。彼の事績上「調査」の二文字は欠かすことができない。
さらには「事の本質は常に大局的見地から先を見越して考えるべきであり、目先の利益から論じてはならない」と、その難しさに挑むことの大事を唱える。
「貧困に喘ぐ人に粥を与えることは一見善行だが、貧困をそのままにしておいては真の福祉とはいえない。貧困を無くし、万民が白米を享受できるようにすることが真の福祉というものだ」
感じ入るところが非常にあって、教養と知識と情報の収集に努める事の重要さを実感させられる。
ちなみに、個人的な感想だが、星新一「人民は弱し、官吏は強し」(新潮文庫)とあわせて読むと時代の雰囲気や出来事を立体的に見ることができて面白いと思う。興味のある方は合わせてご一読をおすすめする。