★劇場公開時フィルムの風合いを再現したニューマスター、TV初放映記念レビュー!★
『
風の谷のナウシカ』には、映画より遥かに高い文学性を持つ
漫画原作があることは広く知られています。一方『
天空の城ラピュタ』には、映画のトレースでしかない
フイルムコミックしかないように思われているかもしれませんが、本書のようなものがあります。”
前編”の“商品の説明”にあるように、御大宮崎駿のお墨付きです。
■収録データ(※月刊「アニメージュ」(徳間書店刊)にS61年5月号からS61年8月号まで連載されたもの)
絵コンテ(カラー、脚注つき):22枚
本文:
聖なる光 一・二
救出
ラピュタへ 一・二
追跡行 一・二
竜の巣 一・二
天空の城
略奪 一・二
伝説の雷 一・二
滅びの言葉
大樹
再びゴンドアの谷
(後編は、監禁されたシーターが飛行石の封印を解く呪文をつぶやくところから始まり、エンディング以降のストーリーまで書かれている。※これは無難なストーリーである。これで「10年後、二人は結ばれました」とかいう終わり方だったら、噴飯ものである。)
■コメント
基本的には映画に忠実な内容です。従って、”ラピュタ”の元ネタである『
ガリバー旅行記』との関連についての言及はほとんどありません。この手の企画の長所の一つは、映画では想像するしかなかった、登場人物の内面描写がわかることですが、それはその想像という楽しみを奪われ、興醒めしかねないことでもあります。ちょうど名作文学の続編を読むことのように。最近の例で言えば、『
カラマーゾフの兄弟』の
続編を空想することに賛否両論あるように。しかし、ファンならそんなことなど関係なく、御大宮崎駿が各シーンに込めた意図を知りたいところでしょう。金曜ロードショーのニューマスター版放送で改めてラピュタの魅力を再確認した方に、お薦めです。