小説を書くための具体的な技法を教えるというわけではなく、高名な小説を細かく分解し、その表現方法を分析するという手法をとっている。
小説の分析の手助けにはなるが、これを小説家志願者が参考にするのは難しいかもしれない。挙げられた表現をそのまま使ったところでその作家の劣化コピーにしかならず、応用するためには様々な作品と比較検討する必要があるだろう。
この本を一冊読んで、それで小説の腕が上がる可能性は低く思える。小説ハウツー本だと考えて買わない方がいいかもしれない。
また他のレビューでも触れられているが、門田泰明の黒豹シリーズを酷評している章があるがこれが期待はずれ。教科書通りの文章批判が延々と続くだけ。エンタメ小説を純文学の見方で批判されてもまったく参考にならない。このシリーズが数百万部売れてる理由もはっきりと説明していない。
総合的に見て、小説のスキルアップ本としてはあまり役に立たない。ただ良書の紹介批評本としては一読の価値がある。