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小説家たちの休日―昭和文壇実録
 
 

小説家たちの休日―昭和文壇実録 [単行本]

川本 三郎 , 樋口 進
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昭和に活躍した作家65人の秘蔵写真とウラ話、一挙に公開。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

川本 三郎
1944年、東京生まれ。東京大学法学部卒業。朝日新聞社を経てフリーの評論家に。1991年、『大正幻影』でサントリー学芸賞を受賞。97年、『荷風と東京『断腸亭日乗』私註』で読売文学賞、2003年、『林芙美子の昭和』で毎日出版文化賞と桑原武夫学芸賞を受賞

樋口 進
1922年、横浜生まれ。東京写真専門学校(現・東京工芸大学)卒業。フリーカメラマンとして出発し、1953年に文藝春秋新社入社。写真部を設立し、文壇の冠婚葬祭など様々の仕事に携わる。82年に退社後も、各方面で活躍しつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 397ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/08)
  • ISBN-10: 4163715606
  • ISBN-13: 978-4163715605
  • 発売日: 2010/08
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
先ず、フル1ページの迫力ある写真に惹かれる。淡島千景を従えてご満悦な谷崎潤一郎、東北本線らしき線路上で独りポケットに両手を突っ込んで俯く広津和郎、羽織・袴姿で自宅の縁側に座ってカメラを睨む若き三島由紀夫など、どの登場人物もそこに生きている。そしてカメラマン樋口氏との交流。「樋口、あれ」といえば「整腸剤ビオフェルミン」のことだった久保田万太郎、文壇宴席を「おれに任せろ」と仲間に請け負いながら、いつも「おい樋口、あとはうまくやれ」と丸投げする久米正雄など、人物像を髣髴とさせる一言がぎっしり詰まっている。

次に、登場人物を各4ページで活写する川本三郎氏の筆の冴え。伊藤整「日本文壇史」を”油絵肖像画”とすれば、本書は”水彩スケッチ画”の一閃の鮮やかさがある。一例だけ紹介したい。退院挨拶に安岡章太郎が井伏鱒二宅を訪れたところ、先客と昼間からすでにいつもの楽しい酒が始まっていたという。《しばらくして安岡は手洗いに立った。気がつくと奥の部屋から線香の匂いがする。井伏夫人に、不幸があったのかと聞くと、思いもかけない返事が返ってきた。「昨日、次男の大助が亡くなりまして、今日、葬式をいたしました」》楽しかるべき酒を身内の不幸で妨げてはならないと、それを伏せて飲み交わす井伏の客に対する気遣いは人柄といってしまえばそれまでだが何か異様とも感じられる。が、川本氏の眼差しは鋭く核心を突く―《子供の死に直面しても平常心でありたいという思いもあったのだろう》。

更に、中野実、源氏鶏太、長谷川町子、山下清など類書では滅多にお目にかかれない人たちが登場するのも魅力だし、65人の作家の作品を(全てではないが)”映画化”・”永井荷風”というナイフ・フォークで味わおうという手法も斬新である。

「どんな本も読み終わるまで長すぎる」と「本」をバッサリ定義したのはフローベル(紋切型辞典)だが、本書は読み終わるのが惜しく、毎日、少しずつ読んだ。自分にとって本書はフローベルの定義から外れる数少ない本の一冊である。
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By mozartfan トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 川本三郎はアラ探しや点数つけのような映画批評はしたくない、よいところや興味深い点を発見するように書きたいと言っているが、文芸批評でも同様の姿勢で臨んでいる。樋口進の「文士」の日常を撮影した写真に添えられたエッセィにはそんな「気分」がみちみちている。
 戦後、「文士」たちはジャーナリズムに取り囲まれるようになった。現代の芸能人のような立場を考えてみれば明らかだが、文士の<日常>は撮影対象の<非日常>となり、好奇の目にさらされる。良くも悪くも文士は演技をする人になった。伊藤整は日本の小説家を<逃亡奴隷>と規定したが、戦後は文壇は居心地の良いアジール(避難場所)ではなくなったし、<仮面紳士>を装っても化けの皮が引きはがされる圧力が「文士」をいたぶるのであった。そんな小説家の<日常>を発見するのが、川本三郎の眼である。
 そうしてみると本のタイトル、小説家たちの<休日>が言いえて妙である。つまり、「ホッとひと息、文士の日常」が見いだせるのだ。文士たちの交友録や映画との関わり、社会との関わりも書かれている。これがウラ話?だろうか。いやいやこちらがオモテなのではないか。読み応えのある本だし、なによりいまや忘れられている文士たちの作品を読みたくなる本である。
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By umico
形式:単行本
永井荷風から江藤淳まで、昭和を生きた小説家たち約120人の人となりが写真と4ページにわたる文章で綴られています。
小説家ではなく「文士」「文人」という言葉で表現されているところに、昭和の良き時代を感じさせます。

短い文章の中で、代表作、出自、交流のあった文士など、実際に同時代に生き、関わったことのある著者だからこその愛のある視点で表現されています。
気難しい印象の小説家の方たちも、それぞれに表の顔と裏の顔、プライベートを垣間見ることができます。
今まで名前すら知らなかった方も、知っていた文士との関わりを新たに知ることで興味が湧きました。

今は知ることのできない、小説家たちの自分の作品に対する思いなどは例え短い言葉であっても、とても興味深かったです。

改めて昭和の小説をまた読んでみたいと思いました。
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