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小説家が読むドストエフスキー (集英社新書)
 
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小説家が読むドストエフスキー (集英社新書) [新書]

加賀 乙彦
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

作家加賀乙彦がドストエフスキーを読み解く。
今なお根強い人気を誇るロシアの文豪ドストエフスキー。『罪と罰』『白痴』など代表的5作品を作家加賀乙彦が解説する。宗教的主題の分析など著者ならではの視点で作品の新たな魅力が浮き彫りに。

内容(「BOOK」データベースより)

十九世紀ロシアを代表する作家ドストエフスキー。二十一世紀の今日なお読者を魅了してやまない作品の現代性の秘密はどこにあるのか…。長編小説の名手、作家加賀乙彦が『死の家の記録』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の五作品をテキストに、小説の構造、伏線の張り方、人物の造型法などを読み解く。小説に仕掛けられた謎や隠された構造を明らかにするとともに、ドストエフスキーの宗教的な主題に光を当てた画期的な作家論、作品論である。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 集英社 (2006/1/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087203255
  • ISBN-13: 978-4087203257
  • 発売日: 2006/1/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By recluse VINE™ メンバー
形式:新書
名古屋の陸軍幼年学校(ドストエフスキーも陸軍工科学校の中退者)に在籍したカトリックの著者にとっては、数十年ぶりの、ドストエフスキーについての著作です。前作はどちらかというと、ドストエフスキーの病気について、著者の精神科医としての視角からの接近が中心でした。今回は、それぞれの作品について、宗教小説としての角度からの接近を試みています。著者は、”カラマーゾフ的という人間群像は、日本人の発想にはありえない”という真実にたどり着いています。そして、ドストエフスキーを”近代的自我の解析”や”心理分析”からのみ読み込もうとした日本のアプローチがたどり着く袋小路の空虚さに著者は辟易しているのでしょう。宗教小説としてのドストエフスキーは、いうまでもなく正統な読み方です。しかしながら、この正統な読み方こそ、日本人が一番苦手とするものです。著者の今回の作品もその読み方への取っ掛かりを与えてくれるものです。最後は、著者もロシアの風土が持つ無限定性を指摘し、ベルジャーエフの有名な引用で締めくくられています。ところで、”死者の家”はヤナーチェクにより、オペラ化(186ぺージ)されています。またベルジャーエフがロシア革命の時期にパリへ逃げたというのもちょっとニュアンスが違うのではと思われます。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By きた
形式:新書
かつて医官として拘置所の医療にも携わっていたそうで、百人以上の死刑囚に接したことがあるということです。しかもクリスチャン。これ以上ドストエフスキーを語るのにふさわしい小説家は、なかなかいないでしょう。
カルチャーセンターでおこなった講義をもとにしています。ドストエフスキー論というよりは、ドストエフスキーの五大長編を読み解いて創作の技法や文体の特徴などについて語っています。思想的にドストエフスキーを語る本は多いのだけど小説の技術的な視点からドストエフスキーを読み解くという本は、今まで読んだことがなかったので大変興味深い。ドストエフスキーの思想を宗教と切り離して論じる本が多いらしいが、そのことに対する批判もうなずけるものでした。
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By パタ
形式:新書
まずは加賀さんは年齢を全く感じさせないインテリジェンス。自分もいくつになってもかくありたいと思わせる軸の通ったロジック。
論旨明快な文章は一気に読ませる。

ドストエフスキーの作品の中から、メインの5つ死の家の記録、白痴、罪と罰、悪霊、カラマーゾフを取り出し、わかりやすく論じている。
当時のロシア文学を読むとき、最初に一番困惑するのはその登場人物の難解さ、覚えにくさ、みんなでいつまでもわいわいして語り続けるその構成。
これが慣れてくると醍醐味になり、キャラクターの深さと複雑さに感嘆する。
これを筆者は分析し、登場人物を類型化し、ドストエフスキー自身が体験した死刑執行からの解放とシベリア生活、そして癲癇と重ね合わせて明快に説明してくれている。
怒涛のようなドストエフスキーの作品に困惑することや、根気が必要な方は、この整理と示唆は光明を得られるであろう。

一見退屈な作品。でもめちゃめちゃエンターテーメント。そして登場人物は複雑。神の存在は永遠。
これが、ドストエフスキーである。読み手の年齢を経るごとに増す醍醐味。
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