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本書の言いたいことは以下につきます。金融政策は現在の不況対策には無効であるばかりか、放漫な垂れ流し財政とあいまって国民経済的には破滅的な効果を生じます。企業家の熱情と折り目正しい銀行の行動のみが不況を救うのであって日銀はなーんにもできません。日銀はインフレにならないよう、政府が放漫に走らないよう全力を尽くすのが仕事です。政府は垂れ流し財政はやめて、できの悪い銀行幹部を追放して不良債権を税金で埋め合わせなさい、でないとハゲタカ外資と癒着した質の悪い銀行幹部が国民の資産をむさぼりますよ。でも今の日銀と政府じゃそれは無理かなぁ。なんせ上の目ばっかり気にする小役人ばかりで。マスコミも感情論ばっかりで高邁な理論なんて理解できないんですよね。
以上の内容を、雰囲気たっぷりの言葉とちょっとした経済学のうんちくを交えて、筆者の代理人である数人の登場人物に語らせるのですが、実際には、例えば日本の破綻の記述など、経済学の素人である私にもみえみえの論理の飛躍を使ったりしています。要は本来的にフィクションという小説の性質をうまく活用して、理論と虚構をかき混ぜて「言いたい放題」をやっているに過ぎません。
ちなみに、文庫版で付け加わったまえがきには著者の「憂国の想い」が縷々述べられています。著者は本作品をリアリティあふれる未来予測小説であると信じています。そして、本書の最後には、これはフィクションであって、実在の状況と酷似していても偶然であると述べています。両者を並べて読むとき、本書の「言いたい放題」の立場を実感し、そしてその無責任さに慄然とします。
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