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小説の自由
 
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小説の自由 [単行本]

保坂 和志
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

小説は読後にテーマや意味を考えるものではない。小説はそのような固定した〈名詞〉でなく、読むたびに読者に向かって新しい世界観や人間や「私」についての問いを作りだす、終わることのない〈動詞〉の集積なのだ。誰よりも小説を愛している小説家が、自作を書くのと同じ注意力で、実際の作品を精密に読んでみせる、驚くべき小説論。

内容(「BOOK」データベースより)

誰よりも小説を愛する小説家が、自作を書くのと同じ注意力で、実際の小説作品を精密に読んでみせる、驚くべき小説論。

登録情報

  • 単行本: 360ページ
  • 出版社: 新潮社 (2005/6/29)
  • ISBN-10: 4103982055
  • ISBN-13: 978-4103982050
  • 発売日: 2005/6/29
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 引用の強度, 2007/2/18
レビュー対象商品: 小説の自由 (単行本)
この本は、自分の読んでいた、読み続けていた本に対する誤読を開陳させられ、苦しい気持ちになる時があります。テーマや物語の社会性や新しい文体でデビューした変な新人、などに狂わされた文学界からは、ほど遠い地平で思考している。それは、大変孤独な作業だとおもいますので保坂さんはちゃんとした人(作家)だと思う。カフカの引用はとても明解で、あの文章の強度をちゃんと見つめている作家はあまりいないと思う。文章の内面から滲み出てくる強度という点ではカフカの引用によって照らし出された最後の部分は恐ろしいくらいのリアリティを越えた現実として、この本の一部を強くものがたっている。
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 小説の面白さ再発見, 2005/10/2
By 
benkeiu (東京都) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 小説の自由 (単行本)
小説家は一体何を目指しているのか、と思うことがたまにあります。人生とはかくあるべし、と読者に教えたいのか。明らかに違うでしょう(そういう人も中にはいるでしょうが)。こんな人生もある、と知らせたいか。それはあるかもしれない。小説を書こうという気になったことがない私にとって、小説家の書く動機というのは興味がありました。

著者はこう言います:「小説とはまず、作者や主人公の意見を開陳することではなく、視線の運動・感覚の運動を文字によって作り出すことなのだ」。おーっ、なるほど。運動が起きればそこに何かが生まれる可能性があるわけですね。それは作者も予見できない何かなのでしょう。

作家は評論家が嫌いのようで、本書でも結構世の評論家諸氏が槍玉に挙げられており、そのこき下ろし方が面白いです。

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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 意図的な読みにくさ??, 2008/5/11
レビュー対象商品: 小説の自由 (単行本)
小説というものに関心がある人にとって、刺激的な内容だと思う。小説という既成の概念の中で、あれこれ意味を与えて豊かな小説にしようとする(現在のほとんどの小説はそうとのこと)行為を筆者は評価しない。小説そのものを考えること、小説の新たな可能性を追求することが、人生を考えることであり、この世を考えることそのものと繋がっている。だから筆者が哲学や宗教を小説を考える際に持ち出すことは必然なことなのだろう。

ただ、この文章は、筆者が考えを整理して伝えようとしたものではない。筆者も言い訳か、あるいは真に意図しているのか、「読みやすい文章は筆者の考えをただなぞって考えたつもりになってしまう、真に考えるためには悪文が必要」(※保坂氏の言葉そのものではないので念のため)と言う。確かに、文章のクセに収まらない明白な悪文もところどころに存在し、私も筆者の真意を測るために何度読み返したかわからず、それが唯一この書の評価を下げざるを得ないと思われるところなのだが、筆者があえてそれが必要というのもまた理解できなくもなく、それはそれでいいのかもしれないと思い直しているところ。読者にはとっても不親切だけれども、整理して伝わりやすくしたときにはすでに失われてしまっているものが多く、筆者はそれをこそ読者と共有したいと思っているので、その不親切さにもかかわらず読み進め、一緒に考えてくれる読者に向けて書いているのであろう。

文章も、構成も、まったく練られてはおらず、いわば思いつきのまま書き連ねてはいるのだが、それがまた返ってこの小説家の生(き)の思考の生まれる現場を体験するようでいて、逆に新鮮なのかもしれない。でも、ここまで文章や全体の構成に気を使わないで書いたものが商品となるのはうらやましいと思ったりも。(もともとは月刊の文芸誌に連載しているものをまとめたものだから、全体の構成というのは限界があるのだが、それにしてもまとまりはない。。)

読みにくさを覚悟の上であれば、小説及び人生とこの世界に興味を持つものにとってはこの上なく面白い本です。
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