行訴法が苦手な新司受験生の立場から、本書を読みました。
自分の経験したエクスターンシップを思い出し、色々と感じるものがありました。
事務所にくる相談者との相談に立会うエクスターンシップの学生が、その事案に関して担当弁護士から指示された課題を調べる過程で、行訴法の論点にぶつかり、悩むわけです。
ただ、個々の事案の詳細への言及が、思ったより少なく、対して、登場する学生らの生い立ち・人生観に関する記述が多かったのが、意外でした。
新司法試験の受験生であれば、行訴法の試験問題を見たことがあるでしょうが、あれを1/5程度に希釈して、事案以外の、小説としての”お話”の部分のボリュームを増した感じの内容です。(新司法試験の行訴法の問題も、小説のように、法律事務所に訪れる依頼者らと弁護士らの会話や議事録になっています。そして、依頼者のために提起する訴訟についての問題点や、被告側からの反論などを考慮し、具体的な訴訟の進行段階毎の対応を論じるのです。)
残念なのは、エクスターンシップ期間が短いため、実際の訴訟提起前でお話が終わってしまう点です。(実は、自分が実際に経験したエクスターンシップもそうで、関わった訴訟案件が、最終的にどうなったのか分からないというのが、消化不良でした。)
もし、主人公の起案や、それに対する担当弁護士の修正、被告側からの答弁書などを具体的に見せ、訴訟法としての攻撃防御を意識できるような小説なら良かったのですが、そこまでに至らないのです。
また、行訴法プロパーではなく、税務訴訟が中心というのも、租税法を選択科目としていない自分には、残念でした。それでも、関連判例の紹介等はあったので、分かりやすかったですが。