実際に野球を観戦したことがない人が、野球のルールブックを
読書したところで、野球のルールはなかなかマスターできない
のと同じで、民事訴訟を経験したことがない人が民事訴訟法の
基本書を読んでも、なかなか理解をできないと思います。
この本は、法律事務所でアルバイトをする大学生が様々な事件
に出会い、その中で民事訴訟法の重要な概念を理解していくと
いう構成をとっています。よって、具体的なイメージが頭の中
にある状態で、たとえば、「管轄」、「訴訟物」といった用語
が解説されているので、すんなりと理解できます。
また、同じ一つの概念を、繰り返し多くの登場人物(弁護士、
主人公、その友人、恋人、それに依頼者等)の会話を通して読
むことになるので、記憶にも定着し易くなっています。
ただ、体系書ではないため、この本を読んだだけで民事訴訟法を
すべてマスターできるわけではありません。しかし、おもしろく
ない民事訴訟法を身近にし、重要な概念を学べるだけで、その後
の学習の効果は格段に違ってくると思います。
300頁弱ありますが、小説仕立てなので六法を片手に読む本でも
なく一日あれば簡単に読破できます。
それでいて、索引もちゃんとついているので、後で確認する事も
簡単にできる親切設計。
民訴の最初の一冊として中野先生の民事裁判入門以前に読んで
いただきたいお勧め本です。
※ちなみに、以下のテーマについて扱われています。
管轄、訴訟物、弁護士代理の原則、争点整理手続、期日の種類、
証拠、当事者欠席、必要的口頭弁論の原則、口頭弁論の諸原則、
除斥、忌避、回避、実体法と手続法、処分権主義、当事者の意思
による訴訟の終了、弁論主義、証拠、要件事実、裁判上の自白、
釈明権、形式的真実主義と実体的真実主義、証明責任、否認と抗弁、
自由心証主義、上告理由、証明と疎明、証拠共通の原則、反訴、
訴えの利益、確認の利益、訴え提起、訴えの種類、調停前置主義、
不服申立前置主義、判例、判決の種類、既判力、上訴、
民事訴訟法と民事訴訟法規則