『小紋文様』というタイトルですが、いわゆる京小紋や加賀小紋はほぼ皆無で、細かい模様を単色刷で繰り返す江戸小紋を中心に各種図案を実物カラー写真で紹介している本です。
内容は
・伝承模様 「割付」と「散らし」、「縞」と「格子」、「歌舞伎文様」、「伊勢小紋」
・山東京伝『小紋雑話』の紹介
・葛飾北斎『新型小紋帳』に出てくる模様
・現代の小紋
という章立てになっています。
ちょっと分類の仕方が曖昧な点があり(割付+散らしと縞+格子の区別は模様の構成別として分かるが、それらと「歌舞伎模様」「伊勢小紋」をどうして区別したのかよく分からない)、また江戸小紋の文様をすべて網羅し切れてない点に不満が残ります。また、各文様に関する説明が非常に簡略なこと、江戸小紋自体の歴史や技術的な説明が全く皆無なのはいくら意匠集とはいえやや残念な点です。あと巻末に索引は付けて欲しかったですね。
山東京伝や葛飾北斎の図案の紹介は貴重だと思います。またすべてカラーページなので模様がくっきりと分かりやすいのがよいです。