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小石川の家 (講談社文庫)
 
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小石川の家 (講談社文庫) [文庫]

青木 玉 , 森 まゆみ
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

祖父 幸田露伴、母 文との日々(芸術選奨文部大臣賞)

昭和13年幸田文は離婚し、娘の玉を連れ青々と椋(むく)の枝がはる露伴の小石川の家に戻った。万事に愚かさを嫌う祖父の小言の嵐は9つの孫にも容赦なかった。祖父の手前蹴とばしても書初めを教える母。「2度はご免蒙りたい」10年の歳月をクールにユーモラスに綴り、晩年の露伴、文の姿を懐かしく匂い立たせる。

内容(「BOOK」データベースより)

祖父幸田露伴、母文と三人で暮した十年―自らの流儀を貫き通した祖父の晩年を支え、凛とした生き方を引き継いだ母。小石川の家であったことと二人の最期を細緻な筆で綴る。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 260ページ
  • 出版社: 講談社 (1998/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062637464
  • ISBN-13: 978-4062637466
  • 発売日: 1998/4/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 幸田文への憧れを感じる, 2005/3/17
レビュー対象商品: 小石川の家 (講談社文庫) (文庫)
明治生まれで絶対君主の祖父・幸田露伴、
気丈を絵に描いたような母・幸田文と小石川の家で暮らした
青木玉による10年にわたる日々の思い出語り。
青木玉著「幸田文の箪笥の引き出し」にも描かれる
幸田文の人間的魅力が随所に溢れている。

青木玉の祖父・幸田露伴は、社会的には文壇の寵児であったわけだが、
家庭内では自分の身の回りのこと一切を人にさせる殿様であった。
わずか9歳の孫・青木玉に、
露伴の周囲を取り巻く大人でも苦労しそうな機微を求めるあたり、
現代から見ればただの頭でっかちの偏屈爺である。
そんな祖父との緊迫したやりとりの思い出がいくつも語られるが、
いまだに当惑している雰囲気が伝わってくる。
名高い文学者・露伴は、我々凡人とは別の、仙人界に住む人間なのだ。
青木玉も、この祖父には、尊敬や敬慕よりも、
畏怖の念を抱いていたように思われる。

が、その露伴に滅私奉公する母・幸田文の表現になると、
とたんに文章がリズムを持つ。
もちろん語られるのは優しく楽しい思い出ばかりではない。
だが幸田文の機微や機転、気丈さが活写されるたび、
青木玉の持つ幸田文への尊敬、憧れの念が、そこかしこに感じられるのだ。
おそらく青木玉にとって祖父は理解の範疇を超越した存在だったのだろうが、
幸田文は愛情と目標の対象であったのだろう。
自分の無力さを嘆く文章も、幸田文への愛情の表れに思える。

一番胸を打ったのは、幸田文が自らの両手を眺めているようすを
目撃した場面であった。
あの場面を思い出し、原稿用紙に落とし込みながら、
どんな想いが青木玉の胸に去来したのだろうか。
幸田文同様、親亡き後に筆を執った青木玉。
すべてが片づいた後に表された作品のせいか、
彼女の文章には余計な感情描写がない。
だが感情を詰め込まない淡々とした文章が逆に胸を打つ。

幸田露伴、そして幸田文の為人を垣間見ることができる良書である。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 幸田露伴のくそジジイっぷりが面白い♪, 2008/3/7
レビュー対象商品: 小石川の家 (講談社文庫) (文庫)
幸田露伴のくそジジイぶりが、最高におかしい!
頑固なまでに、細部まで心が行き届いた“完璧な家事”を要求する幸田露伴。
それを完璧にやりきる母と、どうやってもできない孫娘の構図がユーモラスに描かれています。

子供だからと泣いたところで許されず、できるまでさせられる教育法。
逃れるすべはただ一つ、うならせるだけの機転のきいた切り返し。
難しい!!! そして、その上を行く幸田露伴の理不尽な発想が最高におかしい。
昭和初期の文豪の家での出来事。 ぜひぜひ読んでみてください。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 凛として背筋の伸びた生き方, 2010/2/27
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レビュー対象商品: 小石川の家 (講談社文庫) (文庫)
青木玉氏は幸田文氏の娘です。ということは幸田露伴氏の孫にあたる。
昭和十三年五月、幸田姓にもどった母・文が、九歳になった著者・玉をつれて小石川の幸田露伴の家に転居してから、祖父・露伴が没した昭和二十二年、そして母・文が亡くなる平成二年までのあいだの幸田家の生活、想い出を随筆に著している。
祖父への尊敬と畏怖、それを九歳のころの青木玉氏は母・文さんの露伴氏に対する献身ぶりから感じ取る。日常の全てにおいて家族に対し教養と高尚さをもって生きることを科し、安直な卑俗性を憎んだ露伴は、幼い孫にさえ思慮深くきちんといきることを求める。母・文もそのような露伴の意に沿って娘を厳しく躾ける。このような躾のあり方には、賛否両論あると思います。
しかし、子に対する厳しい躾はその裏腹のこととして躾ける側の責任と覚悟があります。つまり、子を厳しく躾けるからには自分がそれを出来ていなければならない。そして、躾けた当事者として、子の行く末に責任をとるということ。この本に書かれた露伴の振るまいは現代のおおかたの基準に照らして、ものすごく我が儘です。しかし、それをするからにはその責めを一身に引き受け、家族の生活、行く末までも責任をとるという強い覚悟があるはず。
「あなたにはあなたの人生があるから・・・」などという逃げをうたない姿勢、それを感じるからこそ娘も孫も従う。ここに現代に生きる私たちが忘れかけている生き方があります。
その忘れかけている生き方とは、たとえば「長幼の序」であり「凛と背筋を伸ばした生き方」です。この本を読み一昔前の凛とした生き方に触れるにつれ、私たちが失いつつある「気高さ」という価値観が呼び覚まされます。
読み終えてなんと清々しくなることか。
本の装丁も良いです。安野光雅氏の水彩画がすばらしい。
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