帯に「日本で一番長い時間、小田和正を取材してきた著者による14年分の記録」とあるように、小貫信昭氏は、「小田和正ヒストリーYes-No」、「たしかなこと」を上梓してきて、「たしかなこと」以後がこの本。
但し、この本は1998年(小田さんが交通事故を起こしたところから始まる)以降なので、一部は「たしかなこと」に重なる。
悪くはないのだけど、おそらく小田さんと小貫さんと信頼関係が出来上がって、前二作にあった緊張関係がなくなった分、おもしろくない。予定調和的というのか。
小さい頃からの小田さんの気性が知りたかったら、「小田和正ヒストリーYes-No」がいいし、濃密なインタビューを中心に構成した「たしかなこと」は読み応えがある。
今回版型が「たしかなこと」に比べて大きくなっているが、字は大きいし、ページ数は200ページにも満たず、紙の厚さで底上げしている感じで「たしかなこと」ほどのお得感はない。
まあ、でも前二作で小田さんの素顔はほぼ余すところなく伝えてくれているので、「その後」と言っても伝えるべきことはあまり多くなってしまっているという事情は斟酌しなければならないだろう。
最新アルバム「どーも」の一つ一つの楽曲に関するエピソードはこの本でなければ読めないので、小田さんファンはその部分を読むためだけにも買う価値はあると思う。