小泉首相の手法が「丸投げ」と批判されていたことに関して《総論でタガをはめ、大臣を押さえ、官僚組織のトップを押さえることで各論の「骨抜き」「逃げ」を許さない》手法であり、進行管理は小泉首相がキチッとやっていた(p.62)と反論しているのは秘書のつとめでしょうかね。最初の靖国参拝の時、8月15日を避けたことに関して、やめるように説得していた福田官房長官が、あらかじめ福田氏が用意していた談話を読み上げた(p.315)と最後の方で書いているのは、確執がうかがえて興味深かったですね。
外務省に対するあけすけな批判とともに、ここまで書くのか!と思ったのが防衛庁批判。《防衛庁には、いわゆる背広組の内局と制服組の陸・海・空の自衛隊という異なる組織原理を有する複数のグループが存在し、なかなか考え方が一致しない。そのため、お互いに自分に有利な情報をリークしようとする傾向がある、しかし、実力組織を預かる危機管理官庁なのに、これだけ情報管理が甘いのでは軍事作戦などとてもおぼつかないし、同盟国の軍隊からも信頼されないだろう》とまで書くんですな(p.129)。この後も「用意周到・頑迷固陋」 の陸上自衛隊、「伝統墨守・唯我独尊」の海上自衛隊、「勇猛果敢・支離滅裂」の航空自衛隊がそれぞれ自分に有利な情報をリークしていたことを細かく書かれると、ぼくでさえも《我が国の危機管理上、まことに嘆かわしいことだと思う》と感じます。なにしろ、アフガン沖に派遣される艦艇の隻数までも新聞にスッパ抜かれたそうですから(p.134)。