本書は著者自信が言っているように思想云々はなく、ギャグを散りばめながらの白内障闘病記である。
手術嫌いと、万が一の後遺症による仕事への影響の恐れから目薬でごまかし続け、ついに失明寸前(というか、ほぼ失明)!
最初は病院回り、中盤は佐伯眼科クリニックでの手術〜入院、最後に退院とその後を描いているが、
一つ一つが丁寧に語られており非常に面白い。特に手術場面においては、漫画家としての技量が最大限に発揮されている。
専門家による治療本やライターの書いたルポも探せば多々あると思うが、このように100%患者視点(実体験)で
描かれている本は非常に新鮮味があり、引き込まれた。
あと、紹介された手術や病院などを安易に美化したり他者に紹介したりはせず、とくに最終章や
あとがきで著者側が表現に気をつけているところに好意をもてる。
個人的な体験や成功を人に薦めるのは、たとえそれが他者のためであっても、別の見方では無責任ともいえる。
その他者に害が及んだ場合、責任を取れるはずないからだ。
ちょっと意地悪に聞こえるかもしれないが、「最後はアンタの責任だよ」と、若干突き放した体験談は、
ある意味、読者への最大の配慮といえるだろう。
やはり『小林よしのり=ゴー宣』というイメージがあり、論調に合わない人は食わず嫌いするだろう。
読んだとしても、色眼鏡で見て、なーんか面白くなかったり・・・・
しかし、本作は『白内障の漫画家の治療体験日記』と完全に割り切って、多くの人に読んでもらいたい。