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小林よしのり「新天皇論」の禍毒
 
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小林よしのり「新天皇論」の禍毒 [単行本]

中川八洋
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

日本の天皇は、今上陛下で最後とする!!“平成天皇制度廃止革命”の第一段階は、現行の男系男子の定めを女性天皇・女系天皇制度に革命する典範改悪。典範改悪の前例づくりが狙いである。第二段階が、現行の“退位の禁止”を“退位の自由”に改悪し、また、天皇位や皇太子位への“就位を拒絶する自由”を新規導入する革命。これにより、徳二皇太子殿下の即位辞退を脅迫的に強制し、次期皇太子候補の皇太子辞退も強制する。――「あとがき」より――

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中川 八洋
筑波大学名誉教授。昭和20年生。戦後日本ではただ一人の、「皇位継承学」の研究者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 319ページ
  • 出版社: オークラ出版 (2011/6/30)
  • ISBN-10: 4775517406
  • ISBN-13: 978-4775517406
  • 発売日: 2011/6/30
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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中川節炸裂! 2011/10/3
By 若村さき トップ500レビュアー
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保守論客中川さんが、タイトルの小林よしのりをはじめ、長谷川三千子、八木秀次、田中卓、高森明勅、小堀桂一郎といった、世間からは同様に「保守」「右」と見られている人々を、「逆臣」「コミュニスト」「国語力ゼロ」「学者として三流にもなれない六流」「脳が昆虫程度しかないのか」など、滅多切りにしています。

また、「皇国史観」は実は赤化した陸軍省将校と文部省官僚が作った、反天皇的なイデオロギーであり、平泉澄は「昭和天皇の監禁・脅迫・誅殺未遂犯罪者」であると喝破しています。

中川さんの主張は、「皇室典範改悪を許すな」「男系男子天皇以外はありえない」というもので、これ以外を許容する、あるいはこれ以外の意見に敢然と戦わない論客は同志とは認めません。ということで、前記の人々が散々叩かれているわけです。いつもの中川節が今回はヒートアップしている感じです。

今回は、前半に、中川教授と和気清麻呂の架空対談があります。正直言ってこれはのりすぎ。普通の文章でよかったのではないかと思います。「ところで、奈良・平安時代の人である清麻呂公は、どうして野球をご存知なのですか」「皇居の大手濠公園に立っていると暇なので、時々、後楽園のドーム球場のなかを覗き込んでいます」(73頁)といった漫才もありますが。

微瑕ではありますが、間違いを指摘します。

・長谷川三千子さんに言及している箇所に「祖母の宇野千代が泣いている」(215頁)とありますが、長谷川さんの祖母は「野上弥生子」です。

・小堀桂一郎さんの肩書きを「東大国文科教授」(274、289頁)としていますが、小堀さんの所属は本郷ではなく、駒場の教養学部でした。

中川さんは他人の表現ミスや間違いには厳しく言及しているので、ご自分でも注意された方がよいかと。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 永年、中川先生の多くの著作を読んできたが、ときどき気になることが一つある。「論及すべき必要がないものは、論及すべきでない」と、議論の混線を排斥するのを優先して、論及のすっきりさ/厳格さを重視する癖が強すぎる問題である。

 今般の新著『小林よしのり<新天皇論>の禍毒』でも、それが皇位継承学である以上、初代の神武天皇以降の百二十五代にかかわる“天皇位の継承”のみを論じるべきだから、それ以外に話しをずらしたり話しを拡大してはならぬ、との厳密さを貫いている。

 この中川先生の学術的なストイック性は正しい。たしかに、小林よしのり氏や田中卓氏などが、天照大神などの神話の世界に皇位継承問題を拡大するのは、それが女系主義を正当化する詭弁として好都合だからで、究極的には天皇制廃止に思考を抱き込むダーティーな罠以外の何物でもない。実際にも、新田均氏は、高森明勅氏の、この手口にハメられて大苦戦した。

 つまり、中川先生が挑発に超然として神話について一言も語らないのは、単なる碩学ではなく、さすがに真の賢者らしい賢明さである。だが、一般の読者は、それでは、神話に皇位継承問題を拡大する女系論者の汚いトリックを知ることは出来ない。

 中川先生は、「女系論者は、なぜ神話問題を熱く語るのか」と、女系論者の謀略を暴いておく一節を書くべきだった。『小林よしのり<新天皇論>の禍毒』で、この一点を論及しなかったのは、まさに“中川先生の忘れ物”と言えるだろう。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 昨年発売されてから、本書への評価は二分されている。例えば、皇室護持・男系男子護持であろう読者からも、amazonに、(1)「お得意の罵倒も保守派言論人に向けられていて、そういうものを期待する人達にとっても羊頭狗肉な内容となっています。」とのレヴューが寄せられている。また、(2)『皇統は万世一系である』で小林よしのり氏に反駁した谷田川惣氏も、同様に、期待外れとの意見を述べていらっしゃった。

 しかし、これらの批判は、的外れである。中川氏が「保守派」の論客にも激越な批判を加えたのはなぜか。

 小林氏は、その漫画において、小堀桂一郎氏・八木秀次氏らを「男系派」の代表と見做して批判してきた。そして、卑怯にも、いや、狡猾なことに、中川氏の論説には"全く"触れてこなかった。中川氏は、その著『国民の憲法改正』『皇統断絶』『女性天皇は皇室廃絶』『悠仁<天皇>と皇室典範』、対談『皇室消滅』で、皇位継承・皇室護持の理論を打ち立ててきた。小堀氏や八木氏の意見は杜撰であり、中川氏はそれを仮借なく批判してきたのだが、彼ら「保守派」論客は、中川氏に反論することもなく、自説を修正することもなく(八木氏は若干したが)、中川氏を無視し続けたのである。原因がそれだけかどうかはわからないが、中川氏は保守論壇からも干されている。一方で小堀氏は八木氏はよく登場し、それ故、国民の多くは、彼らの方を男系派の代表だと考えるし、男系派に糾合する人達は中川氏を知らない場合、彼らの意見に依拠する。

 その状況下で、小林氏は、小堀氏・八木氏(他に大原康男、櫻井よし子、百地章の各氏がいるが)を批判し、コテンパンにやっつけてしまうと、男系主義自体がやっつけられてしまったかのように見えるわけである。小堀氏・八木氏は、自分の面子や人間関係だけを皇統護持に優先しており、自分たちが批判されている以上、中川氏の成果を援用することもできない。小林氏に負けたも同然なのである。

 従って中川氏は、小林氏の言論自体、そして小林氏の援用する、高森明勅氏や田中卓氏や、笠原英彦氏その他を批判するとともに、小堀氏や八木氏の意見が杜撰であることを指摘して、ご自分の意見が"本物の男系男子論"であることを示さねばならないのである。同書でも指摘のある通り、高森や田中や笠原とともに、「保守派」の欠陥だらけの言論が小林氏を上記の如く裨益しているのであり、男系男子主義を広めるためにその「兵站」を絶つ必要があるのだ。

 なお、「「保守主義の父」エドマンド・バーク 保守主義」というブログで日頃良質な記事を書いていらっしゃる方は、(2)に反論しているが、本質である上記の点に触れず、「中川氏はすごいから反論する奴は愚かだ!」と絶叫するだけで、皮相な内容となってしまっている。(ただし、中川氏に意見発表の場が少ないから今回が初めての小林氏との論争参戦となったのだとの指摘には頷ける。)

 中川氏の、そして皮肉にも小林氏の指摘通り、「保守派」論客は散々の態である。八木秀次氏は、「女性宮家」に断じて反対!と言うこともせず、「大変だよ」、と弱弱しく注意するだけで、あろうことか笠原英彦氏の著作を援用している。まさに敵前逃亡である。小堀桂一郎氏に至っては、「女性宮家」に積極的に賛同する始末で、まさに痴呆である。また、西尾幹二氏は、『皇太子様への御忠言』で前代未聞の東宮東宮妃罵倒を行い、皇室への敬意のなさを露呈し、皇室のことは放っておこう、俺には知ったこっちゃない、鬼畜米英!原発反対!と、発狂状態である。「保守派」の底の浅さとそれ故の醜態とが、近年明らかになっている。

 このような本質を理解して、本書を読んでいただきたい。
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