『
日本沈没』『
復活の日』『
さよならジュピター』『
首都消失』『
エスパイ』などで知られるSF作家の大家・小松左京。
惜しくも先頃(7月26日逝去、享年80歳)亡くなられた小松左京氏であるが、本書は晩年のインタビューを基に自身の人生や自作を語られた内容で構成され、日本のSF界に多大なる影響を与えた大作家の資料としても大変貴重なインタビュー集である。
私自身、上記に挙げられた原作や映像化作品は拝見しているものの特に小松氏に特別な思い入れがあったワケではなかったがこの度の訃報を知り、改めて小松氏の偉大なる業績に触れてみたいと思い、手にした次第である。
第一部『人生を語る』では、漫画体験で手塚治虫氏の『
新宝島』(当時の漫画読者に手塚治虫氏の名を知らしめた名著で藤子不二雄A氏の『
まんが道』などにもその挿話が登場し、藤子氏と同世代の漫画家に与えた影響力の大きな作品)を読んだ時の衝撃が語られている挿話は興味深く、また作家として大成する前に
モリミノル名義で漫画を描いていた頃や
夢路いとし・喜味こいしの漫才の台本を書いていた挿話、またSF作家としての地位を確立してから大阪万博のプロデューサーを務めた事や氏の代表作ともいえる『
日本沈没』にまつわる当時の挿話などSF作家である小松氏の意外な一面を知る事ができる内容が多く語られている。
第二部『自作を語る』でも上記に挙げたSF作家としての氏の代表的作品から初期の短編小説やSF以外の作品(『女』や『芸道小説』シリーズ、歴史小説など)についても一作一作に語られており、こちらも大変興味深い内容だった。
ただ、私的には自身の映像化作品についても頁を割いて語ってもらいたかった印象が強く(本書の中でも1頁ほどにしか満たない内容)、そこにはあまり触れられていない事は残念である。
それでも小松左京氏やその作品を知る上では大変貴重な記録である事に疑いはなく、私も『自作を語る』インタビューから気になる作品をいくつか選んで読んでみたいと思います。