おそらく「Gackt」をよく知らない人からすれば衝撃的な作品となったことであろう。
ジャケットではGacktがアゲ嬢になり、肝心の曲ではギャル文字を駆使した歌詞を熱唱しているのだから…
最初に楽曲を聴いた時、彼が制作を手伝った彼をモチーフにしたボーカロイド「がくっぽいど」が思い浮かんだ。
なるほど、今回の機械的なエフェクトといい、彼らしからぬ歌詞といい、「がくっぽいどがGacktが歌わないような曲をGacktっぽく歌わせることができる」あの製品を逆手にとった「GacktがGacktが歌わないような曲をがくっぽいどっぽく歌ってみた」という、なんとも彼がニコニコ顔で考えつきそうなサプライズだ…
しかし、かつての彼ならば「小悪魔ヘヴン」はライブの為のみの作品であり、おそらくは今作品のカップリング「My Father's Day」がA面の作品になったであろう、それが世間でいう「Gackt」のイメージだったからである…
彼は何故「小悪魔ヘヴン」をA面に持ってきたのだろうか?
それはもしかしたら彼なりの「照れ隠し」だったのかもしれない…
彼は亡くなった大切な人への追悼曲をこれまでも歌ってきた。
多くがアップテンポでライブでも最も盛り上がる曲になっている。
今回の楽曲もおそらくは緒形拳氏への追悼曲であろう、楽曲を聴くだけでも緒形氏の暖かい笑顔が浮かぶようだ…
そんな楽曲をあえてカップリング曲にするあたりが彼の人間が表れてる気がしないだろうか?
今ツアーで機械を演じた彼が自身のソロ活動10周年の記念シングルとして出した1作目としては、アーティスト活動の中で最も「Gackt」の人間味に溢れた心憎い作品になっていると私は感じた。