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小川洋子の偏愛短篇箱
 
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小川洋子の偏愛短篇箱 [単行本]

小川 洋子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「この箱を開くことは、片手に顕微鏡、片手に望遠鏡を携え、短篇という王国を旅するのに等しい」小川洋子が「奇」「幻」「凄」「彗」のこだわりで選んだ短篇作品集。谷崎から田辺聖子まで。各作品ごとに書き下ろしエッセイ付き。

内容(「MARC」データベースより)

片手に顕微鏡、片手に望遠鏡を携え、短篇という名の王国を旅するのに等しい…。内田百間から吉田知子まで、「奇」「幻」「凄」「彗」のこだわりで選んだ短篇16作品を収録。各作品ごとに小川洋子の解説エッセイ付き。

登録情報

  • 単行本: 357ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2009/3/11)
  • ISBN-10: 4309019161
  • ISBN-13: 978-4309019161
  • 発売日: 2009/3/11
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 3.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 210,508位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
小川洋子さんが選ぶアンソロジー? どんな作品が出ているのだろう?
そう思って手に取った私は、最初の「私の偏愛短篇箱」を読み、クスッと笑ってしまった。小川さん自身の幼少時代の風変わりな趣向をこっそり告白しているからだ。
内田百けんの「件」が冒頭で、「小川さんらしいなあ」と思いつつ読み進めていくと、谷崎潤一郎の「過酸化マンガン水の夢」や川端康成の「花ある写真」が入っている。普通の作家がもし心温まるストーリーとか文章が完璧という視点で選ぶとしたら、まずこれらを選ばないだろう、と思う。でも小川さんは違うのだ。「アンバランスな小説が好き」と書くように、「偏愛」だからこそ、折り目正しいアンソロジーだったら出てきそうにない作品が並んでいて、それがなかなか面白く読ませる作品なのだ。
奇妙でちょっと歪んだ人々を温かいまなざしで物語性豊かに描く小川作品のワールドが好きなもにとっては、この本はたまらないと思う。
短いけれども、それぞれの作品後に入ってくる小川さんの解説エッセイがまたすばらしい。
一気に読まずに、1篇とその解説エッセイを読んだごとに本を閉じてその余韻に浸るのがおすすめ。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:単行本
小川洋子が選んだ16編のアンソロジーです。
編者が「偏愛短篇箱」と呼んでいる様に、編者の趣向がよく出た短篇集と言えます。
中身は、更に[奇][幻][凄][彗]の「小箱」に分類され、16人の作家の16編の短編が収められています。
更に、それぞれの作品の後に、小川洋子のエッセイが付されて、これが又なかなか深いものがあります。

16編のうちの中に、「押絵と旅する男」(江戸川乱歩)「こおろぎ嬢」(尾崎翠)が[奇]の中に収められており、私自身の好みと共通していて楽しく読むことが出来ました。

残りの初めて読んだ作品の中では、「雪の降るまで」(田辺聖子)([彗]の中に収められている)には、川端康成や谷崎純一郎の描く関西を舞台にした作品群の雰囲気が感じられ、懐かしく読みました。
ここで扱われているのは中年を通り越したような男女の恋物語なのですが、作中に書かれているように「セックス」ではなく「情愛」と言う言葉がぴったりする、そんな物語でした。
それは、大阪弁で書かれた台詞の文章の匂いとぴったり合った作品になっていました。

同じく[彗]に収められている「お供え」(吉田知子)では、迷惑がどんどんエスカレートしてゆき留まるところを知らない恐怖と言う内容もさることながら、主人公の住む屋敷の状況や古い田舎風の考え方が、私が育ってきた環境から考えると、非常に簡潔ながら的を得た表現がされており、素晴らしい表現だなと感心しました。

その他にも、「件」(内田百'閨j「耳」(向田邦子)「みのむし」(三浦哲郎)など、どの作品をとっても流石に「選ばれた短編」と言う素晴らしさがありました。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 東の風 トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 著者の心の引き出しの奥深くに、大事にしまわれている短篇小説たち。【奇】【幻】【凄】【彗】、四つのラベルが貼られた引き出し。その小さな箱の中の広大な世界から取り出された国内短篇作品が全部で十六、本書に収められています。

 それぞれの短篇小説の後に、著者の「解説エッセイ」が付いています。その短篇に静かに寄り添い、共鳴している二頁のエッセイふう解説文。これが、実にいいんです。ピアノを一曲弾き終えた人の隣にそっと腰かけた小川洋子さんが、「私の目の前に、こんな風景が広がりましたよ」「このメロディーを、こうっと展開すると面白いかも」という雰囲気で、短い旋律を奏でてみた趣があるのですね。なかでも、次の四つの、作品と「解説エッセイ」との響き合う様に魅せられました。

◆牧野信一「風媒結婚」+小川洋子「自分専用の宙の一室」・・・・・・エッシャーの絵の中に出てきそうなこんな展望室があったら、私もここに登ってみたいな。

◆川端康成「花ある写真」+小川洋子「だまされてますよ」・・・・・・小川洋子さんの受け止め方が新鮮で、はっとした。鑑賞者のそういう立ち位置があったか、という驚き。

◆三浦哲郎「みのむし」+小川洋子「みのむしは大人しい虫ではない」・・・・・・短篇小説にぞくりとさせられた後、<一体、みのむしはどこへ行ってしまったのだろう。>にはじまる解説エッセイに、またぞくり。

◆宮本輝「力道山の弟」+小川洋子「愛すべき少年」・・・・・・金子みすゞの詩にある<みんなちがって、みんないい>(『わたしと小鳥とすずと』より)の言葉を座右の銘にしている、そんな気がする小川洋子先生。こういう先生に教えてもらえたら、子供たちはきっと伸びるだろうな。

 内田百けんの「件(くだん)」を冒頭に、吉田知子の「お供え」を最後に置いたところ。ふたつの作品の主人公が微妙に共鳴し、こだまのように反響している風情。気が利いていたなあ。岸本佐知子の風変わりなエッセイ集『気になる部分』で知った吉田知子の短篇が、本書のトリを飾っていたのも嬉しい。短篇集『箱の夫』(中央公論新社)も、ぜひ!
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