プレゼンテーションのハウツー本は、数多く出ていると思うが、この本は内容もさることながら、レイアウトも見開きの左を解説、右をビジュアルに使い分けしており(各チャプターの解説箇所)、重要箇所はマーカーを引いたように強調しており、読みやすい。また、本の紙質がよいらしく、ページの割に若干重い気がする。
内容については、もう少し詳しく書いてほしいと思う箇所もあったものの、プレゼンテーションの実力を着けるには、適切な手順で準備し、場数を踏むのが一番、つまり、適切な方法による実践あるのみと私は思っているから、そういう見方からすると、内容はこのくらいで十分だろう。やり方だって、基本以外の部分は、個々人のセンスによるでしょうから。
ちなみに、プレゼンテーションの実際がどんなものであるかを実感として知りたいという人もいるだろうから、そういう方は、「
小室淑恵の超実践プレゼン講座(DVD付) (日経BPムック)」をまず、手に取って見てもよいかもしれません(内容が重複している箇所がもちろんあるので、購入するかは、財布と御相談してください)。
ともあれ、プレゼンテーションの技術は、本だけ読んだって向上するはずがないでしょう。場数を踏むのが最短の道。この本の内容はかなり参考になりましたが、結局は本に過ぎず、場数を踏むために、そして、道を迷わないために、知っておくべきことが書かれているにすぎません。
そこのところを理解せずに購入すると、期待外れになるでしょう。教則本と考えて、プレゼンテーションをするたびに、参考にしたり、失敗したときに読み返したりするのがこの本の使い方だろうと私は思います。なお、先に紹介した日経BPムックだけでも事足りるという人が実のところ多いのではないでしょうか。
重ねていうと、野球だって、剣道だって、本を読んだだけでは強くならないでしょう。私の知る限り、スポーツができる人で、本だけ読んで上手くなったという人は、見たことがありません。プレゼンテーションも、頭と体を上手く使ってパフォーマンスするという点ではスポーツと同じと思います。本書を購入する人には、上手く使ってくださいな、というところでしょうかね。
最後に、本書のp.151、特に「【ご参考】ワークライフバランスに関する書籍など」は、流石です。ちゃっかり者ですな。