第2版となっているが、編者も一変しており、まったく新しい辞書と考えても間違いではない。
重要単語が色刷りになったなどの工夫もあり、全体的に使い勝手は良くなっている。
特筆すべきは発音関係である。スペイン語は綴りと発音の関係は大変規則的である。その一方、地域的な差異や、異音をどの程度、発音表記に反映させるかという少しややこしい問題がある。本辞典は、その問題に果敢に取り組んでいる。まず、巻末にある発音解説(綴りと発音の関係を含む)がとても詳しい。その上で、スペインと中南米の代表的な発音が書かれている。さらに、語頭の閉鎖音(綴りではb, d, g, v)が、文中で他の語の後に来ると摩擦音になることまで表記されている。ここまで詳細に書いた辞書は、今まで見たことがない。
もちろん、この正確さは、発音表記が煩瑣になってしまうという欠点がある。それでも、この難問に正面から取り組んだことは高く評価されるべきである。
単語の語義については、使っていくうちにその成否が分かっていくものであるので、ここでは判断できない。ただ、上記の発音の取り扱いを見ても編著者の力の入り方が感じられる。勧めて間違いないだろう。