17編の短編の主人公はすべて「小学5年生の男の子」。
急に女子を意識しはじめる男の子。
家族の死に直面する男の子。
転校で友達と離れ離れになってしまった男の子・・・。
それぞれが自分のこれまでの経験値ではいっぱいっぱいの思いを抱え、
経験を重ねながら成長していく姿を描きます。
そういえば、小学5年生くらいの時期って、
体の面でも心の面でも子供から大人への変化が最もよく感じられる年頃なのしれません。
この年頃の女の子は体が一気に大人の女性へと変わりつつあり、
それと並行して態度やしぐさも女っぽくなり、まさに男女の差が大きく出る時期です。
(あと一年もすれば男子は声変わりがはじまり、さほどの差はなくなるのだけれど)
こんな時期って人生の中のほんの一瞬にすぎないのに、
ここにうまく焦点を当てるなんてさすが重松さんです!
重松さんでなければこんな温かいまなざしで少年たちを見つめることはできないでしょう。
懐かしさと、かけがえのない時間のまぶしさが愛おしい作品です。