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小僧の神様―他十篇 (岩波文庫)
 
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小僧の神様―他十篇 (岩波文庫) [文庫]

志賀 直哉
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

志賀直哉(1883-1971)は,他人の文章を褒める時「目に見えるようだ」と表したという.作者が見た,屋台のすし屋に小僧が入って来て一度持ったすしを価をいわれまた置いて出て行った,という情景から生まれた「小僧の神様」をはじめ,すべて「目にみえるよう」に書かれた短篇11篇を収めた作者自選短篇集.(解説=紅野敏郎)

内容(「BOOK」データベースより)

志賀直哉は、他人の文章を褒める時「目に見えるようだ」と評したという。作者が見た、屋台のすし屋に小僧が入って来て一度持ったすしを価を言われて置いて出て行った、という情景から生まれた表題作のほか、「城の崎にて」「赤西蛎太」など我孫子時代の作品を中心に11篇を収めた、作者自選の短篇集。

登録情報

  • 文庫: 238ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (2002/10/16)
  • ISBN-10: 4003104625
  • ISBN-13: 978-4003104620
  • 発売日: 2002/10/16
  • 商品の寸法: 14.4 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 草雲雀 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
長い出張に行くことになりそのときに読む本としてふと手に取った。
「小僧の神様」を始め作者自選の11の短編が集められている。

「小僧の神様」:寿司を食べたくて立ち食い寿司に入った少年が寿司を掴むと、その値段を聞き払えず、食べずにすごすごと店を出て行く。それを見ていた男性が何故おごってあげなかったんだろうと悔いる。偶然、その男性がその少年が働いている店に行き少年と遭う。そして少年を連れ出し、何も言わずに寿司を食べたいだけ食べさせ消える。男性はその行為に淋しさを覚え、一方、少年はその男性をお稲荷様かも知れないと感じる。そんな二人の気持ちの葛藤が何とも言えず、現代では何か忘れ去られた感覚を思い起こさせる。現代ならおごってあげたら人に自慢したい気持ちが出てくるかも。おごってもらった少年はまた次のうまい話しがないか探すかも。そんな感覚とは違う敬虔な何かが感じられる。

「正義派」:路面電車の運転手の過失と思しき事故で少女が亡くなる。それを見ていた工夫(こうふ)が三人。警察に行き運転手の過失だったと言うが警察も過失とも言えないと判断。警察を出た工夫らは何か正義感にかられ、会う人会う人に事故を見たこと、過失に違いないことを話す。その話している自分に酔ってくるが最後事故現場に戻り全ての虚しさを感じ泣き伏す。こんな感じあるよなと思わせる作品。

11作分書こうかと思ったが冗舌なるのでこれで留める。

日常生活に起こったちょっとした心の機微を捉え、それを文章に落とし込む、と言うのがこの作者の持ち味なのだと感じた。
その心の機微が今の現代の感覚で言うと何か忘れ去られた感情で、それをしみじみ味わえるのが何とも言えない心地よさである。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By イッパツマン トップ500レビュアー
形式:文庫
 志賀直哉はわざとらしい技巧を嫌った人でした。芥川の「妖婆」という短編について、さらわれた女の子が見つかるシーンで主人公達の服が風になびくという描写があります。しかし、せっかく女の子に移った読者の視線が服に移り、また女の子に戻らせられるという忙しさから、下手糞な描写として芥川本人に指摘したというエピソードが残ってます(=「沓掛にて」より)。このように「作為」を削ることに専心した彼の作風が、年を経るに従い「私小説」すら飛び越えて限りなくエッセイに近いものになっていったのは当然といえば当然でしょう。
 
 また読後の余韻を大変気にした人でもあり、弟子の阿川弘之によると、作品の良し悪しの判断は殆どそこに尽きると考えていたようです。

 このようなエピソードを踏まえると、確かにどの作品も無駄なものが削ぎ落とされて大変読みやすい一方で、読後に心に残る余韻が何ともいえないことが共通していることが感じられます。特に僕が好きなのは「赤西蠣太」で、このラストは「物語を語る」ということすら削ぎ落とした、びっくりするくらいに簡潔な終り方をする一方で、余韻は申し分ありません。名人程、最小限の作為・動きで作品を作るという点では、工芸や伝統美術の世界に通じるものすら感じます。さすが「神様」と呼ばれた作家であります。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
文学の香り。 2011/11/16
By 街道を行く #1殿堂 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
文章のお手本、としてどなたも推薦する志賀直哉。
とりわけ『小僧の神様』は有名ですし、この本に納められている短編は息を呑むほどの鮮やかさです。
一つ一つの作品は短いものが多く、現代の感覚からすれば、ショートショートに分類されますでしょうか。
私小説、客観小説を交えて、身の回りの情景をさらさらっと書かれたような印象ですが、スケッチの美しさの中に文学の題材が埋め込まれています。
現代の小説では、風変わり或いは非日常的な題材が多く扱われますが、ここでは、一瞬の揺れるような心を描かれてゆきます。
文学とは何であったのか、改めて考えさせられました。
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