衝撃的なアンナ・カリーナのゴダール映画初登場。本作を皮切りに『愛すべき女・女たち』
の中の一挿話に到るまで7と1/2のゴダール監督作品に出演し続ける訳ですが、後の『アルファヴィル』
『メイド・イン・USA』等と本作とを見較べると、彼女の女優・女性としての変化や成熟を感じ取る事が出来、
それらの作品がそのまま女優アンナ・カリーナの年代記となっているような観すらあります。
物語はパリではなく幼少の頃ゴダールが過ごしたというスイスのジュネーヴを舞台に、
当時まだフランスの植民地であったアルジェリア独立を標榜するFLMとそれを阻止せんとする
OASとの闘争に否応なく巻き込まれた二人の男女を軸に、『勝手にしやがれ』に続く長編第2作である
本作は前作の軽快なタッチとは異なるハードボイルド的な展開を見せます。ジェームズ・ボンドのようには
諜報部員になりきれない主人公が呟く観念的な台詞が耳に残ります。そして、カーディガンを脱ぎ着したり、
無造作に自分の髪の毛をくるんと丸めたりするアンナ・カリーナの所作が感動的ですらあります。
DVD仕様面について: 2000年に発売された旧盤よりビットレートは上昇しています。新旧両盤共PALマスター
使用のため本来より収録時間が若干短くなってしまっています(88分から84分へ)。画質、メニュー画面等の仕様に
ついてはそれぞれ一長一短。旧盤はメニュー画面がなく、機械的に10分間隔で刻まれていたチャプターも
改善されていますが、旧盤で付いていた仏語字幕はなくなっています。まだ旧盤が市場に出回っているので
好みに応じて購入されると良いと思います(値段は新盤のほうが格段に安くなっていますが)。