ボーカリスト・霜月はるかの魅力満載。時に切なく、時に力強く、時にキュートに。歌唱を愛し、作品(ゲームそれ自体も含めて)を大切にする彼女の真摯な姿勢を随所に感じる名盤だが、特筆すべきは最終トラック。本作に唯一書き下ろされた、アルバムタイトルと同名曲「導きのハーモニー」。この一曲だけでも本作を手に取る価値はある。 聞き所は、よくある「ハーモニー」論ではなく「導き」。 この曲の主旨は「誰もが色々な力に導かれてどこか素晴らしいところに到達できるよ」などという「第三者的物語」にとどまらず、むしろ彼女の「極めて個人的な感情」が第一義ではないかと感じる。 すなわち、彼女をメジャーデビューからこのステージにまで導いた作曲・作詞家、バンドメンバー、ファン、家族、主題歌となったゲーム、そのクリエイター、プレイヤー等々…、その全てに対して「みんなの力に導かれてここまで来ることができました!ありがとう!」と声を大にして言いたいー。そんな想いではなかろうか。 それが彼女の「私は音楽が好き!歌が大好き!」という強い思念と相乗効果をもたらし、今まで聴いたこともない旋律となって我々の耳に届く。説教じみた凡庸なロックにはない、アーティストのありのままの温かい想い。まさにワークスアルバムの最終トラックにふさわしい曲であり、逆に言うと、この曲が本作を至高のワークスアルバムたらしめているのではないか。 「導きのハーモニー」。アルバム、同名曲ともに、アーティスト・霜月はるかを代表する名作になりそうな予感。ファンならずとも「優しさ」「温かさ」を求める人なら傾聴の価値ありです。