ドイツ軍の占領下、娼婦が惨殺され、目撃者から犯人はドイツ軍の制服で、しかも将軍のそれであったと判明する。
調査にあたったものがドイツ警察のオマー・シャリフ(ドクトルジバゴ)で、軍の権力者に真っ向からぶつかっていく。犯人の候補者はわずか3名であり、類推によりピーター・オトゥール(アラビアのロレンス)であるらしい。
しかし、この将軍は自他ともに認める戦争上手であり、殲滅戦を行うことも辞さない冷酷さも持っている。
チャップリンが、数人殺したら犯罪者で、大量の殺人は英雄であると、自身の映画の中で語っているが、この将軍は
大量殺人も、いわゆる普通の殺人も同時にやってのけているのだ。軍人としてのストレスから逃れるために、猟奇殺人を繰り返すこの将軍が、ルーブル美術館でゴッホの自画像を見て強いショックを得て、その後の殺人の時に、お付になった若い軍人を犯人に仕立て上げ、パリから脱走兵として送り出す。
映画は、このモチーフを軸に、淡々としかも丁寧に撮られていて興味深い。
途中に挟まれるエピソードが「ワルキューレ(バルキリー)作戦」で、当時のドイツ軍将校達がヒトラー暗殺を企てた事件であり、計画自体はうまくいったのだが、「ヒトラー暗殺」のみ失敗し、クーデターを図った軍将校は投獄処刑された。彼らの言い分は「このままだと、ヒトラーにドイツが滅ぼされるから」というものだった。
オマー・シャリフが将軍逮捕に向かったのが、丁度作戦失敗が伝達される時で、将軍に反乱軍として射殺されてしまい、その後権力を一層強めることになるのだが、歴史は彼をどう裁くのだろうか・・・
とても面白い映画です。