白川氏の著作を読んだのは「婚活時代」が初めてだった。そのときの独善的と言っても良いような論旨にイライラしたのを憶えている。そういうスタンスが今現在どうなっているのかに興味があって本書を手に取った。しかし、やはり彼女のスタンスは偏っているという印象は変わらない。ターゲットとする読者層を明確に意識しているのはわかり、マーケティングとしては正しいのかもしれない。しかしこのやり方が世の中を良い方向にもっていくは到底思えなかった。
本書で印象的だったのは年収600万円以上の独身男子の座談会の部分だ。男の僕からするとよくこれだけ馬鹿ばかり集めたものだなと言いたくなるような参加者で、彼女のバイアスが透けて見えるようだ。「座談会のような男性も実際いるのだからある意味現実だ」と彼女は反論するかもしれないが、それほど傲慢でもなく、しかし異性としての魅力が十分と言えない普通の男性達の存在を視界に入れないようにしているのは意図的なものに違いない。つまり「男は馬鹿だ」と言いたいわけだ。
男性も女性も、異性に対して理解できないと思うことはあるだろう。しかしそういう時お互いにモテる異性のことだけが念頭にあり、視界に入っていない大多数の異性のことはすっぽり抜け落ちている。大多数のそれらの不可視な層は自分勝手な主張を相手に押しつけても相手にされないだけだと知っているので黙って諦めているだけだ。白川氏はそういう人々のことは興味がないのだろうか?
白河さん。そろそろ「女性の条件闘争を実現するには?」みたいなことをテーマにするのではなくてある程度男女どちらもハッピーになるには何が必要なのかということを真剣に考えてみてはいかがですか?今のままでは自分と立場の異なる存在に対して「仮想敵」のような見方しか提供できないでしょう。そうなると女性→男性、あるいは未婚女性→既婚女性、キャリア女性→専業主婦のような不毛な争いにおいて相手を否定することで胸のつかえをとるというガス抜きのような役割しか担えないことになる。そんなことで人生を終えるのは空しすぎると思いませんか?