「当事者同士の話し合いですべてが解決するならば、この世には警察も裁判所も必要ない。
だいたい話してわかるならば…核廃絶のための団体がなぜ旧社会党系の「原水禁」と共産党系の「原水協」に分裂したのだろうか」
主観を排して上の文章を読解できない者に、本書は用をなさない。旧社会党や共産党の議員には、無理だろう。中学生の国語からやり直せ。〈専守防衛〉自体の問題は、本書では以下の指摘に尽きる。法律論は
『お笑い日本の防衛戦略―テロ対策機密情報』に軍配が上がる。
(必要最小限の専守防衛では)軍事的なオプションをはじめから制限している上に、抑止力に足る十分な軍事力を持っていなければ、敵は勝てると思って戦争を仕掛けてくるに違いないから、実は戦争を誘発する可能性が高い。…基本的に本土防衛戦だから、民間人の被害が極めて大きくなる。
このような議論を始めると「敵とは、中国のことですか?」と色をなすTVコメンテーターもいるが、筆者は、
「周辺諸国が潜在的脅威であり、仮想敵国に決まっている。
中国は24発の核弾頭を搭載した弾道ミサイルを我が国に照準を合わせている」
と言い切る。ただ、〈専守防衛〉に必要な軍事力に対し、現状でどれ位不足なのか、といった議論はない。
■海外での兵器の見本市派遣は少人数の、ご褒美扱い(情報貧国)
■陸自と米陸軍、海自と米空軍の共同作戦は困難(設備の不備)
といった〈専守防衛〉に起因する日本の防衛上の問題点を明らかにしている。その上で、
☆対インドODAで、中国の日本に向けられた軍事力を間接的に削減する
☆島嶼領土を守る水陸両用部隊(海兵隊)を、陸自の人件費を削減することで創設する
などの提案をしている。核武装についても「基本的に反対」と断った上で、いくつかのシナリオを元に冷静に検証している。
田岡俊次氏(元朝日新聞、近著に
『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』(朝日新書 36)には、ぜひ本書に反論を試みてもらいたい。勿論、再反論で論破されることを期待している。