仲のよかった友達が、ある日突然いなくなった。しかも、その人のことを周囲に聞いても、その人の存在すら覚えていない………。
このようにまるでSF小説のような冒頭で始まる本書であるが、一読してこのような話が現実に存在することからSFや恐怖小説を読む以上の戦慄を覚えた。
かつて大手新聞社に在籍していた著者がある事件をきっかけに封印作品について関心を持ち、新聞社を退職し、当座の生活費と取材費に充てるため自家用車を売却し、1年に及ぶ取材の末、何度も暗礁に乗り上げながらも苦難の末に書き上げて完成された不朽の労作である。
本書は第一章『
ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」、第二章『
怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」、第三章 映画『
ノストラダムスの大予言』、第四章『
ブラック・ジャック』第41話「植物人間」第58話「快楽の座」等を取り上げている。
封印への真相を掴むため取材を試みるなか、特に第一章『ウルトラセブン』と第二章『怪奇大作戦』の取材に纏わる挿話は、関係者の口が想像以上に重く難航し、取材的な立場から著者自身窮地に立たされる内容や第三章 映画『ノストラダムスの大予言』では長年封印されていたなか突如海賊版ビデオが流通し、その背景を追ったドキュメントや差別団体への突撃取材などまさにSF恐怖小説を読む以上にスリリングな内容でした。
著者自身、本書の取材が世間的には何のメリットもない関係者を傷つけるだけの過去の作品に対するただの“のぞき見趣味”“墓荒らし”と揶揄される向きがあるかもしれないが今回取り上げられたこれらの作品群は後世に残る歴史的名作であり、後世の研究家たちがこの作品の背景を調査する上で本書は間違いなく第一級資料の役割を果たすものと考える。少なくとも私自身は著者の行動がこれら歴史的作品(文化遺産)の背景を後世に伝える重要な役割を果たしていると思う。