・ 「藤本先生が、過去の『ドラえもん』のアニメを非常に嫌がられていたんです。過去にアニメ化を許諾されたことを、非常に後悔されていた様子でした。」――第一章日本テレビ版『ドラえもん』
・ 「円谷プロから『いろいろもめているのでハヌマーン(怪獣軍団)の記事は載せないでほしい』という、はっきりとした要請があったんです。『ハヌマーンの記事をやめないと、他のウルトラ関係の記事も採録許諾できない』と……」――第二章『
ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』
・ 「実際のところ、『みずの版』の連載時は、『ハルヒ』のメディアミックスが本格化していなかった頃です。みずのさんのコミカライズも、いわゆる“捨て企画”だったんです。」――第三章みずのまこと版『
涼宮ハルヒの憂鬱』
封印ルポの雄・安藤健二氏が今回も綿密なる徹底した取材力で送る『
封印作品の謎』『
封印作品の闇』に続く待望の第三弾である。ただ今回取り上げられた封印作品は前二作と比べると作品自体の評価としても低いものであり、先のレビューにも述べられているとおり本作は、封印理由よりもアニメの暗黒史を覗かせる内容となっている。
個人的には日テレ版『ドラえもん』が興味深く、私も知識としては知っていたが見たことはない幻の作品となっており、しかもこの日テレ版『ドラえもん』製作の裏側で暗躍する謎のキーパーソンの存在や当時首相であった
田中角栄との関係まで浮き彫りとなるまさかの展開に驚愕した。
他にも『
ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』の挿話では、映画の封印の背景にあるウルトラマン訴訟問題、さらには、訴訟相手であるソンポートと円谷皐社長(当時)が交わしたとされる“76年契約書”なる文書の存在など読み応えがあり、『
涼宮ハルヒの憂鬱』の挿話でも封印の背景にある出版社事情の思惑などまさに本書は今回取り上げられた作品の闇の部分を垣間見る内容であり、大いに堪能した。