不平等を、統計の数字だけでは読み取ることはできない。著者はまず、ジャーナリストの斎藤貴男氏ら不平等論の論客との座談会で、水面下で進む不平等化の実態をあぶり出す。個の時代や自由競争をうたいながらも、その実日本人が向かっているのは旧ソ連型の中央統制社会だという意見まで飛び出す。著者自らは経済学者の立場から、所得分配の欠陥や「職業選択の機会の平等」が喪失した原因を解説する。
(日経ビジネス 2005/04/11 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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第一人者達による「不平等」の指摘,
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レビュー対象商品: 封印される不平等 (単行本)
本著は、I部が橘木氏、斎藤氏、苅谷氏、佐藤氏による座談会、II部は橘木氏がI部での座談会の内容+αで書いた論文といった構成になっている。これまで、苅谷氏や佐藤氏の著書を読んできたが、それをうまく繋げて理解することの出来なかった。しかしながら、本著での座談会では、異なる分野で不平等の問題を指摘してきた論者が、「不平等」問題の中で何を問題としてきたのかがはっきりし、繋げて理解することができたように感じる。 筆者の著書を読んでも、ピンとこなかった人には特にお勧めしたい。
22 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
機会の不平等,
By TRK "TRK" (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 封印される不平等 (単行本)
本書は「機会の不平等」について論じている。機会の不平等は、統計上では明らかになっているが、社会を動かしているエリート層はそれを直視していないという。自分がこうなれたのは実力ではなく、単に自分の生まれた環境が良かったからということを認めてしまうからである。誰でもチャンスはあるということを暗黙のうちの語っているのである。しかし、現実にはそうではない。裕福に育った人はそうでない人に比べて、良い教育を受けて、高い収入を得る確率は高くなるだろう。そういうことを考えると、まずは1人1人が「機会の不平等」の存在を素直に認めることが重要である。
20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
機会の平等を確保するには,
By 上杉 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 封印される不平等 (単行本)
◎機会の平等が確保できれば、結果の不平等は容認できるのか。それとも結果の不平等も一定範囲を超えれば容認できないのか。このような興味深い話を中心にして論じられている。◎現在は金・権力のある人が上で、ない人が下というコンセンサスが強すぎる。昔の「教師」のように金も権力もないが人格で尊敬すべきであり、「職人」のように一つの事を極めれば尊敬されるという文化があれば、勝ち組・負け組という単純な区分けはなくなるであろう。
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